kurukuru89’s blog

主に原始キリスト教、哲学、心理、日本人について、気の赴くままに語ります。知識ではなく新しい視点、考え方を提供したいと思っています。内容は逆説的、独断的な、投影や空想も交えた極論ですが、日本人覚醒への願いを込めたエールであり、日本の発展に寄与する事を目的とします。(ここで言う日本及び日本人とはあたかもそれらを代表するが如く装うが、理性が未発達な為、感情的に動き、浅薄な信条に左右され社会に仇なしてしまう集団や人々を主に指しています)これらを通して人間に共通する問題をも探り散文的に表現していきます。

略奪と搾取が行き詰まった日本

日本は略奪で成り立っている国です。一時的に栄えた歴史上の国々は、2つのタイプに分かれます。真っ当な経済によって栄えた国。そして略奪によって栄えた国です。日本は後者です。

 

古代ローマ帝国は、形を変えながら千年近くも続きました。しかしローマ帝国には重大な欠陥があったのです。侵略を続けていくことで繁栄していく国だったのです。

帝国が衰退した理由は、ゲルマン人の侵入だけではありません。領土拡張が行き詰まったこと。カネが足りなくなったこと。インフレと増税によって民の力が失われたこと。不正や汚職が蔓延し為政者のレベルが著しく低下したこと。これらが原因だったのです。

 

新しい領土が手に入らなければ、国は増税によって市民からカネを収奪するしかありません。苦しくなった農民は逃亡していきます。もはや国民にとって害悪でしかない政府に対する興味を人々は失っていきました。

最終的にゲルマン人によって西ローマ帝国が滅亡した時には、もはや人々は「統治者が誰であろうと構わない」という状態だったのです。

 

日本は明治維新以降、教育やインフラ整備、近代的な行政システムを積極的に受け入れ経済を育てて行きました。ところが日清戦争日露戦争の勝利に味をしめ、侵略によって富を得る方向に、舵をきったのです。国家予算のほとんどを軍事費に注ぎ込み、まるで今の北朝鮮を思わせるような国でした。

 

軍事にカネを注ぎ込む国は、必ず衰退します。スペインも戦争と略奪に明け暮れた国でした。未開の地から金銀をせしめても、国の借金は減りませんでした。それどころか、国債を強制的に買わせたあげく、債務を踏み倒しました。売位売官もはびこり、人々はまともに働く気がなくなりました。こういったスペインの文化や考え方を継承したラテンアメリカ諸国は、未だに貧しいままです。

冷戦時代には、生産力で劣るソビエトが米国と軍事力を張り合おうとしましたが、破綻しました。米国は高い軍事力を保持していますが、GDPに対する軍事費の割合は意外と低いのです。

 

戦後の日本はどうでしょうか。国家総動員法にもとづいた、中央集権的な生産システムがそのまま残っていたため、軍需産業を、そのまま輸出産業へと転用できたのです。戦後に生まれた通商産業者は、軍需省が看板を付け替えただけの省でした。愚かな国民に「これをやれ」と号令をかければ、直ちに全員が同じことをします。「これを買え」と宣伝すれば一斉に同じものを買うのです。

 

その頃の日本には、安い賃金で雇える若者が大勢いました。子沢山が奨励され、田舎者が多くの子供を作っていたのです。国が定めた分野に多くの資金が流れこむ仕組みもありました。

さらに終戦後の日本人の心には「生き延びる為なら何をやっても許される」という考えがあったのです。15年戦争により多くの若者が徴兵されましたが、そこでは小作農出身の軍曹が、地主の息子や大卒の二等兵を好きなだけ殴ることができました。戦後の一時的な無秩序状態において「実力によって階級を這い上がれるかもしれない」という希望もあったのです。

 

日本は、安物を大量に生産して海外に売りさばきました。利潤よりも市場拡大を目的としていたのです。侵略と同じです。実際に海外の生産者から憎まれていました。利益をどこにも還元しないからです。Win-Winどころか、lose-loseです。

現代において、アップル、グーグルのせいで仕事が無くなったと怒る人はいません。彼らの製品を喜んで使い、それに乗っかる形で新しい仕事を得ているからです。

 

バブル崩壊後は、日本企業はコストを削ることで何とか利益を確保しようとしました。昔と同じような安い工業製品を売り捌くのではなく、付加価値の高いシステムを世の中に提供しなければならなかったのに、そうしませんでした。安物にこだわり、発展途上国であった東アジアの諸国と競争しようとしたのです。

彼らの望みどおり、非正規雇用労働者が増え、円安となったおかげで、日本はアジアの最貧国と成ったのです。どこよりも安い人件費だけが強みです。

 

とっくに消えているべき衰退産業が、ゾンビのように生き続けています。政府系金融機関により大量のカネが注ぎ込まれているのです。国の言いなりで動いている銀行です。

その代わりに国は、自国民を搾取し始めました。労働者の非正規雇用化、増税、高いインフラ利用料などによって、民をすりつぶしています。カネは貰えない。出費は増える。それなら生活レベルを切り下げるしかありません。そして最後は人生から逃亡するのです。

 

国民は「資産形成」と称する投機を奨励されています。カルト教団への献金のようなものです。特権階級にはもっと確実で美味しい投資話があります。日本の庶民は彼らの肥やしです。これからどんなに国が衰退しても、上層国民は豊かな暮らしを続けていくことができます。

現在の日本は形を変えた奴隷制度ともいえます。庶民は、他国の宗教法人に貢ぎ、金持ちや役人に貢いでいます。しかも自らそれを望んでいるのです。

 

日本は千年以上前から続く土着の文化に、近代文明の仕組みを無理矢理に接ぎ木したようないびつな国です。考え方が相容れないのであちこちで矛盾が発生しています。

さらに、先進国と呼ばれていたのに少子化が進み、もはや後戻りのできない衰退国家でもあります。その点では世界の先陣をきっています。

ですから、いつまでもアングロ・サクソンの後追いをしていてもしょうがありません。日本は、自分の状態を見極めて、それに合った方策を自分の頭で考える時に来ているのです。そうすれば自ずと解決策も見えてくるでしょう。他の誰でもない、当事者が、答えを出すべき問題なのです。

 

「豊かさ」の誕生(下) 成長と発展の文明史 「豊かさ」の誕生 成長と発展の文明史 (日本経済新聞出版)

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図説 世界の歴史〈3〉古代ローマとキリスト教

令和4年度財政投融資計画要求の概要 : 財務省 

戦後日本経済史(新潮選書)

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