kurukuru89’s blog

主に原始キリスト教、哲学、心理、日本人について、気の赴くままに語ります。知識ではなく新しい視点、考え方を提供したいと思っています。内容は逆説的、独断的な、投影や空想も交えた極論ですが、日本人覚醒への願いを込めたエールであり、日本の発展に寄与する事を目的とします。(ここで言う日本及び日本人とはあたかもそれらを代表するが如く装うが、理性が未発達な為、感情的に動き、浅薄な信条に左右され社会に仇なしてしまう集団や人々を主に指しています)これらを通して人間に共通する問題をも探り散文的に表現していきます。

機械が思考する時代に、人間に残るもの

人間は長い歴史の中で、思考を外部に委ねる仕組みを発明してきました。 その最も身近な例が「計算」です。  

 

1.計算は思考か

複雑な計算をしているとき、自分自身が思考していないような違和感を覚えることがあります。それも道理です。

 

2.思考の外在化

数式や記号体系は偉大な先人によって発明されたものであり、その力を借りて「思考」しているのです。これはまさに思考の外在化です。

数式は人間の負担を減らし、効率よく思考を進めるための道具です。各々の工程を間違いなく進めれば、誰でも同じ結論に至ります。直観では到達できない抽象化も可能になり、より複雑な構造を扱えるようになります。

 

3.外在化のデメリット

しかしデメリットもあります。思考の主体性が弱まり、理解しないまま計算する人もいます。数式に頼り過ぎることで、自然な認知の枠組みから離れる可能性もあります。

 

4.思考の外在化は数学に限らない

思考の外在化は数学だけではありません。人間は文字を発明し、記録するようになりました。図形を使うことを覚えました。算盤のような計算器具を作りました。数を発明し、幾何学、代数学、解析学へと抽象化を深めてきました。コンピュータを作り出し、ついに機械が学習・思考をするようになりました。

 

5.人間による方向付け

それでも人間が全てを丸投げすることはありません。数学においても生成AIの利用においても、「何をやるのか」「どういう方向で進めるのか」を最初に人間が決めなければなりません。このステップで躓くと、すべてが失敗に終わります。ではどうすべきでしょうか。

 

6.人間がやるべきこと

「機械が全てをやってくれるから無知で良い」とはならないのです。

量子力学には「黙って計算しろ(Shut up and compute)」という言葉がありました。「計算すれば予測できるんだから余計なことを考えるな」というわけです。繰り返し計算し、先人の道を辿ることで、ある種のセンスが身につくこともあります。しかし人によっては創造性が育たないこともあるでしょう。

現代では、負担を減らしながら、方向性を決められる才能が必要です。

 

7.抽象化・視点の転換・問題設定

基本的な「型」を覚えるだけでなく、抽象化し、視点を変え、問いを立てる能力が求められます。生まれ持ったセンスもあります。「違和感」を大切にし「なぜ?」という問いを繰り返す人。抽象化が好きで構造を見抜ける人。ひとつのことにこだわらず視点を切り替えられる人。こういった人は伸びが速いでしょう。

「意味のない世界」*1だからこそ、主体的に問いを立てるのです。

 

8.言語の大切さ

これらの能力は言語によって可能になります。生成AIを利用するには、高度な対話能力が必要です。

言語は概念を操作し、抽象化し、視点を切り替える道具です。しかも汎用的です。あらゆるものを記述できます。数学ほど厳密ではありません。しかしその緩さが逆に武器となります。高度になり過ぎた数学と異なり、言語はひとりだけで完結する、最高の思考ツールです。

 

9.人間に残されたもの

方向付けこそは、広範な知識を背景にした直観の働きであり、外在化できない人間固有の力なのです。

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本稿は個人的見解です。

自然における創発—単純から異質が生まれる仕組み

宇宙や自然は驚異に満ちている。我々はそう感じます。これは何故でしょうか。

 

1.単純から複雑へ

世界は単純なものが集まって複雑なものを形成します。

 

【鳥の群れ】

鳥は  ①近づきすぎない、②仲間から離れすぎない、③進行方向を合わせる、という3つのルールしか持ちません。しかし群れ全体では、複雑で美しい動きが生まれます。

 

【ニューロンと思考】

脳にあるニューロンは電気信号を発火しているだけです。しかし集まると意識 、自我、言語、思考といった高度な機能と構造が生み出されます。

 

【塵から惑星へ】

宇宙の塵はただ重力で引き合っているだけです。 しかし多数集まると、円盤となり、惑星となり、恒星の周りを周回し始めます。

 

2.創発

これらは「創発」と呼ばれます。創発とは、部分の単純な総和では説明できない性質が、全体に現れる現象です。

人間は長らく「小さな構造は大きな構造にも表れる」「小さなものにも大きなものにも同じ法則が適用される」と考えてきました。しかし自然はしばしばこの直観を裏切ります*1

 

3.創発が現れる理由

ではなぜこんな現象が起きるのでしょうか。

理由は自然の側ではなく、人間の側にあります。

人間は世界に意味を求めます。しかし認知・理解力は限られています。そのため、世界を観察するたびに、新しい構造を「発見した」と感じてしまうのです。そしてそこに意味を与えます。だから自然は驚異に満ちていると感じられるのです。

 

4.有機物と無機物

上の3つの例を振り返ってください。鳥や人間は生き物です。エントロピー増大の法則に一時的に逆らう存在であり、自ら局所ルールを生成して動くことがあります。

しかし無機物はそうではありません。惑星は無機物です。新しいものが生まれたわけではありません。そう感じるのは人間の認知です。

 

5.無機物の創発

①離散的な要素が確率的に振る舞う

②多数が集まり、大域構造が創発する

③観察者がその構造を「意味」として認識する

この流れが、無機物における創発の標準形です。

 

6.離散と連続、創発

すべてのものは本質的に離散的です。しかし人間はそれをそのままでは把握できません。そのため、離散を連続として解釈しようとします*2

離散的な世界から確率が生まれ、確率から創発が生まれます。人間はそこに意味を見出そうとしてきました。

 

7.コンピュータが世界を観る

コンピュータは自然を離散のまま扱います。法則や意味を見出そうとはしません。確率的に記述し、確率的に発生を予測するだけです。

現代は、人間の認知とAIの離散的視点が揃った時代です。ようやく人間は、自然界を正しく見つめようとしているのです。

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本稿は個人的見解です。

*1:数学にも創発的な構造が現れます。組合せ爆発、スケールフリー構造、ゲーデルの不完全性、チューリングマシン、合同式から生まれる暗号、中心極限定理、ハミング符号など、単純な規則の反復から要素には存在しない性質が立ち上がります(数学は自然を理解するための認知の延長であり、自然の一部として現れる構造です)。

*2:微分積分は、人間が離散的な自然を「連続」として理解するための道具です。自然は離散でも、数学は連続として扱おうとします。

Feel In My Heart(The Words Get Stuck in My Throat)


「The Words Get Stuck in My Throat」は、映画「フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ」の劇中歌です。

この映画は「The War of the Gargantuas」というタイトルで、海外でもカルト的な人気を誇ります。劇中歌も同様に人気があります。1977年にニューウェーブバンド DEVO がこの曲をカバーしています。

映画の中で歌っているのはKipp Hamiltonという方です。ジュリー・ロンドンのような雰囲気があります(ジュリー・ロンドンは、日本でも大変人気がありました)。

曲は妙なところもあるのですが、冒頭のトランペットも含めて不思議と耳に残ります。

映画で、劇中歌が披露されるシーンです。

アメリカのカートゥーン「Scooby-Doo」で公式オマージュとして「Feel In My Heart」が流れています。

フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ

宇宙とそれを観る我々—宇宙に向き合うということ

宇宙とは何か。我々とは何か。この二つの問いは、同じ根から生まれています。

 

1.宇宙と観測者

もし人間のような知的生命体が存在しなかったら、宇宙に意味はあるのか? これは古くから繰り返されてきた問いです。

観測者がいるから宇宙が意味を持つという立場があります*1。逆に、宇宙は数学的構造そのものであり、意味という概念自体が人間の幻想だという立場もあります*2

 

2.宇宙が存在する理由

このように考えます。宇宙は確率的にしか記述できない。絶対不変の法則もなければ、存在理由もない。宇宙は偶然の産物であると。

 

3.宇宙の秩序

宇宙は秩序があるように見えます。しかしそれは例外的状態です。無秩序こそが通常であり、秩序は人間の脳が好む「パターン」にすぎないのです。

 

4.宇宙の意味

人間の脳は、因果性、構造性、連続性、安定性を好みます。危険を予測し、未来を計画し、他者と協力するために、脳は「意味」を生成するように進化しました。

「意味」は、目的・価値・方向性・役割といった、人間が重要とするものから作り出された概念です。宇宙に意味はありません。宇宙は意味のない確率状態の連続です。

 

5.人間の存在理由

宇宙が偶然の産物なら、人間も偶然の産物です。 我々に本質的な意味はありません。 ただ生き残るために秩序を見つけ、未来を予測するように進化しただけです。

 

6.我々はどこから来たのか

ゴーギャンの絵に刻まれた 『我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか』 という有名な問いがあります。しかし、この問い自体が「意味」を前提としています。これが問うている、起源、本質、目的。これらはすべて人間の脳が作り出した幻想です。

私たちは食べて、飲んで、寝て、繁殖するだけの存在です。しかし動物と違うのは、合間に瞑想し、宇宙に対して想いを馳せられるという点にあります。

 

7.結論として

我々に意味はなく、世界にも意味はありません。しかし人間は意味を見つけようとする。だからこそ、意味を剥ぎ取った「ありのままの世界」を見なければなりません。それが、私たちが宇宙と向き合う唯一誠実な態度です。

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本稿は個人的見解です。

*1:観測者原理(Anthropic Principle): 宇宙は「観測者が存在できる条件の範囲」でしか観測されないとする立場。

弱い観測者原理では、観測者の認知構造や生存条件が、観測できる世界の性質を限定するとされる。人間が見えるものしか見えず、人間が考えられる法則しか法則として認識できないという意味。

強い観測者原理では、宇宙の物理定数そのものが「観測者が存在できるような値」に結果としてフィルタされていると考える。これは神や意図を前提とするものではなく、観測可能性による選択バイアスの結果として“観測者に都合の良い宇宙だけが見える”という構造を指す。

*2:数学的宇宙説(Mathematical Universe Hypothesis, Max Tegmark): 宇宙は数学的構造そのものであり、意味や目的は人間の認知が作り出した副産物にすぎないとする立場。