フォルテピアノを用いて演奏したモーツァルトのニ長調のロンドです。明確なアタック音と軽快なタッチが心弾むような曲調に合っています。加えて調律が440Hzではなく430Hzとなっています。それが心地よさを生み出しています。
古典派の曲はちょうどこの調律で作られたと言われています。いわゆる「ウィーン・ピッチ」「モーツァルト・ピッチ」と呼ばれるものです。
ここで使われたフォルテピアノも、当時に作られたモデルをコピーしたものです。ハンマーはフェルトではなく革で覆われています。打弦機構も現在のものとは異なり、軽いタッチで演奏できます。
今のピアノのペダルの代わりとしてレバーが付いています。要するに足で踏むのではなく膝で押し上げる構造です。レバーは3つありますがピアノとは若干違います。ピアノと同じ様に弱音ペダルとサスティンペダルがありますが、ノイジーでラウドなチェンバロを模した効果をもたらす面白いレバーがあります。
近代楽器はより純粋な音を求めて変化して行きました。同時により大きく輝かしい音も求められて行ったのです。その為に音が変わり、調律が上がったのもやむを得なかったのです。
しかしその代わりに、作曲家が伝えたかったある種の雰囲気が失われてしまった事も確かなのです。