kurukuru89’s blog

主に原始キリスト教、哲学、心理、日本人について、気の赴くままに語ります。知識ではなく新しい視点、考え方を提供したいと思っています。内容は逆説的、独断的な、投影や空想も交えた極論ですが、日本人覚醒への願いを込めたエールであり、日本の発展に寄与する事を目的とします。(ここで言う日本及び日本人とはあたかもそれらを代表するが如く装うが、理性が未発達な為、感情的に動き、浅薄な信条に左右され社会に仇なしてしまう集団や人々を主に指しています)これらを通して人間に共通する問題をも探り散文的に表現していきます。

システムが崩壊していく日本 -手段と目的を取り違えた日本-

日本は、余命わずかな老人のように衰えています。日本を支えてきた様々なシステムだけでなく、日本の根幹そのものが揺らいでいるのです。

 

明治維新のスローガンは「富国強兵」でした。「富国」という手段によって「強兵」という目的を実現すると述べた、分かりやすい標語です。

しかしながら、富ます対象として国民は入っていませんでした。富むのは国だけです。「国」とは東京のことです。地方自治体は、東京を支えるために存在しているに過ぎません。

 

敗戦後は「富国」という手段だけが残りました。その手段が目的となったのです。外貨の獲得です。

「経済の成長」によって「外貨を稼ぐ」ことが目的となりました。

「なぜ、外貨を稼ぐのか?」と問われれば、「成長のため」と答えます。その反対に「なぜ、成長が大切なのか?」となれば「外貨を稼ぐため」と答えるのです。

国民はそれに協力するように求められました。下に挙げた1960年代のプロパガンダ映画のように、国民は「消費を控え貯金をするように」と勧められていたのです。

 

トランジスタラジオ工場に勤める、女性工員の日々を描いたドラマがありました。1960年代が舞台です。彼女らは、朝から晩まで、機械のように速く正確に、定められた作業を繰り返す事を求められます。貰った現金は、その場で直ぐに金融機関に吸い取られます。余った僅かばかりのカネで、最低限の生活を送るのです。

 

国民も、国全体も、何のために動いているのか分からない、壊れた機械のようなシステムです。人間のためのシステムではなく、システムのために人間がいるのです。それも立ち行かなくなり、衰退の時を迎えています。彼らが唱える「成長」とは、いったい何だったのでしょうか?

 

このシステムの中に包含される、さまざまなサブシステムがあります。その中でもとりわけ精緻に作られており、人命に関わるようなシステムがあります。医療業界や航空業界のシステムです。

システムが衰えていくと、医療事故や、航空機事故といった形で表面に現れます。ちょっとしたミスや、人員レベルの低下が原因となって、大きなインシデントを引き起こすのです。それが日本全体の崩壊を示す予兆となります。

 

外貨を稼ぐ大きなシステムとして自動車産業があります。自動車産業は、EVへの転換、自動運転システムの構築なしには生き残れません。

EVにしても、自動運転にしても、国によるインフラの整備が必須です。またEVへの転換は、下請け業者に大きな影響を与えます。複雑なガソリンエンジン、その周りの冷却システム、トランスミッションや、長いプロペラシャフトなどが不要になります。多くの人員整理が必要です。日本ではどちらも難しいでしょう。

自動車産業が崩壊した時に、日本は大きな危機に見舞われます。その後は、二度と元のような文明国に戻ることはできないでしょう。

 

それにしても「外貨を稼ぐ」とは、また何と自己中心的な目的でしょうか。稼いだカネで何をするのかを考える頭を持たないのです。まさに「無能な働き者」です。他国にとっては極めて迷惑な存在です。

 

憲法には、国民の「主権」や「恒久の平和」「福利の享受」と書いてありますが、歴代の指導者達が、こんな事を本気で目指していなかった事は明らかです。国民だって同じです。

いまでは、末端の国民に至るまでが「できるだけカネをもらい、消費を控えること」を目的としています。そんな連中からは、直接にカネを奪った方が早道だと指導者達は考えます。今では、給料の半分くらいが税金やら何やらで消えていきます。息をしているだけでもカネは払い続けなければなりません。

彼らの想像力は極めて貧困です。カネが何にでも交換できる事は知っていますが、それ以上のことを知らないのです。

 

日本人は「人生100年時代」などと言いながら、病気などで早死にしています。カネを握りしめながらです。「平均寿命が世界一」と日本人は誇ります。しかし平均寿命にはトリックがあります。

平均寿命とは、「0歳児が何歳まで生きられそうか」という見込みに過ぎません。確かに日本の乳児死亡率は低いのです。産まれた子供が1歳になるまでの死亡率です。この成績が良いので平均寿命の数値も良くなっています。

ところが1歳以上の子供の死亡率となると、途端に成績が悪くなるのです。表面だけを糊塗する、いかにも日本らしいやり方です。その乳児死亡率にしても、医療レベルが低くなれば、どうなるか分かりません。

 

この国では、妊娠は祝福ではなく呪いです。昔は、子供が増えることが、即、労働力の増加につながりました。娘は売り飛ばすことでカネになりました。しかし今では、自分を助けてくれるどころか重荷になりかねません。いきなり借金を背負うようなものです。下手をすると、生きている間はずっと、子供の面倒を見ないといけないのです。病院に行けずに出産しても、もし死産だった場合には〇体遺棄容疑で起訴されてしまいます。闇から闇に葬られている新生児が、いったいどれ程いることでしょうか。

 

この国では、人権などは存在しませんでした。国を富ませるシステムだけがあったのです。そのシステムさえも崩壊したら、人々はどうなることでしょうか。上からのおこぼれで、かろうじて生きてきた人達も終わりです。インフラが崩壊しても、元に戻すことができません。

 

コンビニの弁当は年々小さくなっています。唐揚げの数も減っています。バターやウインナーも小ぶりになりました。この間入ったお店の定食は、千円以上なのに葉っぱの上にカキフライが2つだけでした。それでいて、あの憎らしく毒々しい色合いの漬物が添えられています。

草を食んで生きるような生活は、我々の直ぐ目の前に迫っているのです。

おかあさんの学 ―暮らしと経済― 東京シネマ製作 - YouTube 

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