kurukuru89’s blog

主に原始キリスト教、哲学、心理、日本人について、気の赴くままに語ります。知識ではなく新しい視点、考え方を提供したいと思っています。内容は逆説的、独断的な、投影や空想も交えた極論ですが、日本人覚醒への願いを込めたエールであり、日本の発展に寄与する事を目的とします。(ここで言う日本及び日本人とはあたかもそれらを代表するが如く装うが、理性が未発達な為、感情的に動き、浅薄な信条に左右され社会に仇なしてしまう集団や人々を主に指しています)これらを通して人間に共通する問題をも探り散文的に表現していきます。

人の命をもカネに変える資本主義 −「パーフェクト・ケア」に見る介護ビジネス−

資本主義は全てをカネに変えるシステムです。子供を産ませるのは次の労働者を再生産するためであり、教育は良き労働者を育てるためにあります。こうして人々は、何の疑問も持たずに資本家に忠誠を誓い、役に立たなくなるまで奉仕し続けるようになるのです。

 

ロザムンド・パイク主演のブラックコメディ映画「パーフェクト・ケア」は老人を食い物にする後見人の姿を描いています。要介護認定を受けると、その老人は財産を管理する能力を欠いていると看做され、特別養護老人ホームに隔離されます。

すべてのドアや窓はロックされ、入所者が内側から開けることはできません。介護を行うスタッフ以外にも屈強な男性がいて、侵入者を見張るだけではなく、暴れる老人を取り押さえる役割も負っています。そういった老人に薬剤を注射して大人しくさせます。段々と老人は薬漬けになっていきます。

一旦入所したら、肉親でさえ簡単に面会することができません。さらには不動産を含めたすべての財産が後見人の管理下に移されてしまうのです。こうして老人は、朦朧とした状態のまま施設に監禁されて生涯を終えることになるのです。

 

日本には多くの老人がいます。彼らも上述の映画のようにカネ儲けのタネとされていきます。社会保障制度を崩壊させ、民間業者に委ねることで老人をお金に変えていくのです。労働者ではありませんが、死ぬまで搾取され続けるのです。

 

日本はとりわけ老人を憎む国です。政治家のように力を持つ老人には頭(こうべ)を垂れますが、何の権威も持たない老人は憎悪の的です。若者やネトウヨには、病気や貧困で困っている老齢者と、傲慢な老人との区別がつきません。

日本にも後見人制度があります。昔の禁治産制度が名前を変えたものです。他人事ではありません。長く生きれば誰もが頭はボケて失禁するようになり、最後は禁治産者となるのです。

少子化で労働者が少なくなりましたが、老人は大勢います。これからは彼らを使って儲ける時代です。なんでもカネに変えられるのが資本主義の良いところです。

 

日本は衰退国家ですが未だお金があります。資本家にとっては絶好の狩り場です。日本では好き放題にできます。というのも日本は法治国家ではないからです。そのように見えるのは建前の部分だけで、実際は権力者によって自由に法を曲げられる人治国家です。しかも国民は権威に対して従順な家畜ときています。

人々は心のなかに基準となる軸を持たず、モラルもありません。「人権」を「こんなものは不要だ。下の者が付け上がるではないか!」と自ら放棄するような人々です。様々な実験をするのにこれほど相応しい場所はありません。国民が知らない間に様々な法案が矢継ぎ早に閣議決定されています。やりたい放題です。

日本は、民主主義の体を保った状態でどれだけ庶民から富を収奪できるかという実験場です。庶民は家畜として育てられ、肥え太ったところで屠殺されるわけです。

 

今の世界では、政治家はもちろん宗教家であっても、否応なく資本主義のシステムの一部となって動かざるを得ません。資本主義システムの上に立つものがないのです。

現在は言ってみれば次のような状況です。「荒らす憎むべきものが、立ってはならぬ所に立つのを見たならば(読者よ、悟れ)、そのとき、◯◯◯にいる人々は山へ逃げよ。〜その時には、世の初めから現在に至るまで、かつてなく今後もないような大きな患難が起るからである」(マタイ24章)

資本主義の後を継ぐ新しい思想が、今こそ必要とされています。


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