kurukuru89’s blog

主に原始キリスト教、哲学、心理、日本人について、気の赴くままに語ります。知識ではなく新しい視点、考え方を提供したいと思っています。内容は逆説的、独断的な、投影や空想も交えた極論ですが、日本人覚醒への願いを込めたエールであり、日本の発展に寄与する事を目的とします。(ここで言う日本及び日本人とはあたかもそれらを代表するが如く装うが、理性が未発達な為、感情的に動き、浅薄な信条に左右され社会に仇なしてしまう集団や人々を主に指しています)これらを通して人間に共通する問題をも探り散文的に表現していきます。

日本の「資本主義」

現代の資本主義は一種のトリックによって動いています。これを認識しているかどうかで大きな差が生まれます。このシステムが功を奏して文明が発展してきたという側面もあります。まずは資本主義から生まれた派生物について振り返り、最後に日本の状況を見ていきましょう。

 

統治者は貨幣を発行し流通させる権利を持ちます。通貨として使われるものは美しい貝殻や大きな石、ゴールドやシルバーといったそれ自体に価値があるものでした。

昔は国が発行する紙幣もゴールドへの交換を保証していました。つまり紙幣は一種の預り証のようなものでした。しかしそのうちに不換紙幣というものが作られたのです。政府の信用で価値を保っているだけの通貨です。

 

中央銀行の意向によって幾らでも価値を生み出せるのですから、「不換紙幣」は人類が生み出した偉大な発明のひとつと言えるでしょう。現在の通貨はほとんどが不換紙幣です。

紙幣を発行しそれにより経済が成長して行けば良いのです。しかしそれが上手く行かないと通貨の価値はどんどんと目減りしていく事になります。

 

世界は2008年のリーマンショック辺りから基本的に金融緩和が続いています。ゴールドはその頃は1oz当たり1,000ドルでした。しかし現在は3,000ドルを超えて来ています。シルバーは歴史的な安値圏にありますがこちらも上昇基調です。

ゴールドの価値は今も昔も変わりません。1ozの金貨の価値は高級紳士服をあつらえる値段と同じです。銀貨一枚は1日の労働賃金に相当します。19世紀の1ドル銀貨や1円銀貨の価値もだいたい同じでした。貴金属と比べて不換紙幣は大きく下落しています。さらにドルと比べると円の価値は目減りしている事が分かります。

 

経済が発展すると「信用創造」というものが生まれました。銀行へAさんが100万円を預けます。Bさんは300万円、Cさんは600万円を預けます。そうすると銀行には1千万円がある事になります。当然、A、B、Cさんが「カネを返してくれ」と言って来たら返さなければなりません。ところが普通はそんな事にはなりません。だから銀行は例えば100万円だけを残しておいて900万円を誰か他の人に貸したり投資に回したりできるのです。

このようにして銀行は仮に自己資金がほとんど無かったとしても自らの「信用」をもとにしてカネを集め、そのカネを自由に使う事ができるのです。それが結果として経済を成長させる事になるのです。

 

さらに資本主義を発展させることになる仕組みが生まれました。「株式会社」です。それまでは何か大きな事業を行おうとした場合に、経営者は全財産を投じるか他人からカネを苦労して掻き集めなければなりませんでした。失敗したら全財産を失うだけでなく多額の借金を背負うのです。無限責任です。

ところが株式会社の登場によってこれが変わりました。株式会社は経営者と出資者が明確に線引されています。経営者は経営に失敗しても有限責任で済みます。つまり出資者は出したカネを諦めなければならないのです。

出資者は会社が倒産しても「カネを返せ」とは言えない代わりに、自分が納得の行く範囲でカネを新しい会社に賭けてみることができます。経営者も出資者ひとり当たりの出資額は小さくとも多くの人々から出資を募れるので、結果として巨額の資本を手に入れる事ができたのです。

 

株式会社は巧みにリスクとリターンを分離しています。経営者は限られたリスクで大きなリターンを夢見る事ができます。出資者も同じです。

資本は小さな額だと意味をなしません。しかし株式会社の登場によって王侯貴族や銀行家に頼らなくても巨額の資本を集めて起業することが可能になったのです。

 

産業革命が起こって戦争はテクノロジーに依存するようになりました。戦争自体も長期化・大規模化が進みました。それにつれて戦争というものが実に儲かる商売となって来たのです。鍛冶職人が刀を打ち据えたり火縄銃をひとつひとつ作り上げる時代は終わりました。大砲や弾薬、兵士の衣服や糧食は資本家の手によって大規模な工場で生産されるようになったのです。

19世紀後半の南北戦争から20世紀初頭の世界大戦によって軍需産業はひとつのピークを迎えました。第二次世界大戦の終了時には「戦争により大企業と国が潤う」という構造はあまりにも大きすぎて解体出来ない程になっていたのです。「軍産複合体」の誕生です。

戦争はカネになります。まず戦い自体にカネがかかります。そして多くの人命が消えてインフラが破壊されますが、その後の復興により大きく儲ける事ができるのです。

 

現代の資本主義社会は社会主義的な政策もとりいれています。社会福祉政策によって労働者の健康を維持し購買力をもたせ子供を産むように仕向けなければなりません。そうでないと資本主義社会自体が立ち行かないのです。

しかし社会福祉の予算を削る場合もあります。斜陽化している国です。さらに日本のように奴隷制社会の上に資本主義が接ぎ木されているような社会ではこれが顕著です。

 

日本はもともと農奴性が強く根付いている土地です。その為に特殊な資本主義を発展させています。

農奴性では農民は土地に縛り付けられ勝手に仕事を変えたり逃げたりすることは許されません。領主のために年貢や税を納めあらゆる理不尽に耐えなければなりません。農民は統治者の所有物であり人権などないのです。現代の日本では、農民だけではなくサラリーマンや下級官吏も同じ「農奴」です。

 

資本主義を装っていても本質は「農奴社会」です。徴税の仕組みが巧妙で重税を課せられている事に気づかない人もいます。民衆から吸い上げられたカネは特別会計で処理され、傀儡の政府系金融機関行政法人を通じ補助金助成金が関係者に配られます。またそもそも彼らは日本の庶民にカネを配っても良い事はないと考えています。一方で海外援助をすればキックバックを受け取る事ができるのです。

 

本来ならば大企業から中小企業、そして末端へとカネが流れて国全体の経済が潤うのです。しかしこの国ではカネが途中で消えてしまうのです。いわゆる「中抜き」です。これも実に旨味のある仕組みです。「中抜き」によって「数億円をかけた仮設トイレ」という笑い話さえ出てくるのです。「事業をやっています」という体だけを装えば良いので、実際に事業をやる気などは毛頭ないのです。

 

農奴性は庶民から徴収したカネを統治者間で分配するシステムです。だから経済は二の次です。この国は自由主義陣営に属する資格が無いだけではなく、資本主義社会というのも怪しいのです。

しかし統治者と関係者にとっては理想的なシステムです。資本主義の仕組みを利用して大きな利益を得られます。さらに農奴性の仕組みによってリスクを回避して安定した利益も上げられるのです。もちろん他の国々から見ればアンフェアです。だから宗主国にカネを巻き上げられるのです。

 

庶民が騒ぎ出したらそろそろ戦争を起こす時期です。愚かな民を徴兵し最前線に送り込むのです。工場での強制労働も待っています。ハイパーインフレ預金封鎖も起こしやすくなります。いつの間にかデフォルトし日本国債も無価値となります。このような混乱期であっても支配層はそれに乗じて巧みに儲ける事ができます。そもそも彼らは戦争になっても絶対に死ぬことはなく、それどころか贅沢三昧の生活を送る事ができるのです。つい最近のウク◯イナで皆さんが御覧になった通りです。

 

日本は衰退して行きます。庶民も貧困に喘ぐ事になります。しかし支配層と繋がっておけば、農奴性を土台とした資本主義によりこれからも栄華を誇る事ができるのです。