日本でまもなく徴兵制が施行される見込みです。徴兵の網を逃れる事はまず出来ません。彼らは国のために役立って貰う必要があります。
歴史を振り返ると徴兵を逃れるために人は様々なことをしてきました。
ナポレオン戦争や南北戦争の時期には、銃の引き金を引けないように人差し指を切り落としたり、歯を抜いたりしました。当時は紙薬莢を引きちぎる為に歯を用いたのです。ナポレオン戦争の頃から国家総動員法、国民皆兵システムが始まりました。好むと好まざるに関わらず否応無く国民は戦地へ赴く事になったのです。
現代ウクライナの状況に目を移すと、徴兵管(TCK)が何処で検問しているかをリアルタイムで共有するチャンネルがSNSで乱立しています。これをモニターしながら不要不急の外出を控えているのです。
18〜60歳男性の国外脱出は禁止されていますが、それでも脱出を試みる人が後を絶ちません。そして大勢が死んでいます。また召集状を物理的に受け取らないように家族の協力を得て外にまったく出ない「引きこもり」生活を続けている者もいます。
日本でも先の戦争(15年戦争〜第二次世界大戦)においては徴兵忌避の為に様々な試みがなされました。醤油を瓶単位で飲んで徴兵検査を逃れようとした者もいます。もちろん検査官はそれを百も承知です。運が良ければ再検査、悪ければ懲役刑です。
逃亡するにしても海外へ逃れる方法はあまり無く彼らは国内での逃亡を試みたのです。海外逃亡先としては北米・南米へ移民として渡ったり、満州やソ連に渡る方法がありました。しかし彼らの辿った運命は過酷なものでした。
国内逃亡した者は憲兵や警察に追われる事になります。残された者もただでは済みません。非国民として家族や村全体が激しい差別を受けたのです。
初期の頃は「代人料」(お金によって徴兵を免除)や「一家の主は免除」という規定もありましたが、戦争が激化するとそういった抜け道も無くなったのです。
もちろん学生も徴兵されました。「学徒出陣」です。東大生であってもです。初めは理系の学生は徴兵を免除されていました。しかしその後は技術士官として招集され最後は最前線の一兵卒として戦場に立ったのです。
「赤紙」は連帯区司令部から役場を通じて配られました。そのため役場の担当者の胸先三寸で人選がなされました。つまり「あそこは長男が死んだばかりだから次男はもう少し後に」とか「あそこの家族は反抗的だから真っ先に招集しよう」といった理由で選んだのです。しかし最後はノルマが厳しくそうも言っておられず根こそぎ招集へと至ったのです。
役場の担当者からは詳細な申し送り事項が備考欄や付箋に書かれていました。
「思想不穏」「素行不良」「家庭事情(「未だ幼い子どもがいて…」「妻が病気なので」「親の面倒を見たい」と訴えると逆に「逃亡の恐れあり」と看做され、このような言葉で示されたのです)」といったものです。このように書かれると監視対象となりブラックリストに載ります。入隊すると最低でも私刑による再教育が施されるのです。
国内で逃亡を続けて僅かながら徴兵を逃れた者もいます。山中でサバイバル生活を送ったのです。野生の動植物を食べて生き延びたわけです。あるいは「気が狂ったので座敷牢に閉じ込めている」とされ逃れた者もいました。禁治産者として外界との接触を全て絶ったのです。
しかし逃亡を試みてもほとんどが捕まりました。そうなるとただでは済みません。兵役を逃れようとした者は6か月以上3年以下の懲役です。しかし刑期繰り上げ招集により最前線へと送られます。当時は「懲罰部隊」が存在しました。前科者や忌避者だけを集めた部隊です。毎日リンチを繰り返され最後は「弾除け」として弾の降りしきる最前線へ送られたのです。まさに拷問を繰り返された挙句に死に至る部隊だったのです。
富裕層は助かったのでしょうか。いえ、そうではありません。最初の頃はカネやコネによって忌避する事が可能でした。徴兵されても負荷の軽い部隊へ配属されることも可能でした。しかし戦争が激しくなるとそうは行きません。「エリートや富裕層こそ模範を示す為に前線へ行くべきだ」という社会的圧力が高まったのです。そのため長男だけは何とか守り通し次男以降を差し出すという苦渋の判断をした富裕層もいました。
よしんば戦争が終わって五体満足で帰ってきても社会的報復の対象となったのです。もちろん負傷すればそれはそれで大きなトラウマを背負う事になりました。(映画「犬神家の一族」は地方名家の息子がビルマ戦線の負傷により顔を失っているという設定です)
三井、三菱、住友、安田、そして日産コンツェルンといった財閥関係者なら逃れられたのでしょうか。答えはYESでもありNOでもあります。彼らは軍需産業の柱であり軍需工場の「管理者」「不可欠な技術者」という位置にいたのです。また「嘱託」という魔法のような身分もありました。軍部や外務省の「外部専門家」という立ち位置です。また満州や東南アジアへ支店長や管理職として赴く事で徴兵の網から距離を置くこともありました。
しかし彼らも最後は軍部の意向により最前線へと送られたのです。また日産コンツェルンは満州に深く食い込んでいたが為にソビエト連邦の参戦により混乱に巻き込まれ利権も失いました。
将官だって無事ではありませんでした。戦艦大和が沖縄に特攻する事になった「天一号作戦」の背景には陸軍と海軍の確執がありました。
陸軍は平素から海軍を馬鹿にしていました。いわく「月給泥棒」「大和ホテル」「武蔵屋旅館」「横文字ばかり使って中身は意気地なしの腰抜け」といったものです。御前会議や最高戦争指導会議でも、陸軍が海軍に議論を挑み海軍が口ごもると嘲笑するという事がありました。
それが陸軍による「菊水作戦」上奏の際に、天皇による海軍への御下問へと繋がり絶望的な大和の出撃となったのです。「陸軍がこんなに頑張っているのに海軍は艦船を温存して何をやっているのか?」というわけです。成功の可能性は全くなく、艦長と第二艦隊司令長官にとって見れば、その責任を取って最後は自殺する事を強要された命令だったのです。
さて現代日本で徴兵制度が復活するとどうなるでしょうか。
徴兵を逃れる事は難しいでしょう。諦めてください。管理・監視システムは80年前とは比べ物になりません。マイナンバー制度により一人ひとりがシステムで管理されています。スマホ、クレジットカード、銀行口座を使用しただけで活動が直ちに捕捉されます。コンビニでパンを買ったり、公共交通機関を利用しただけで顔認証システムでバレてしまいます。SNSでの検索履歴(「徴兵 逃げ方」「国境 超え方」)により事前に行動を察知することも可能です。
逃亡しようとしてもまず無理です。サーマルカメラやドローンによって動きを捕捉されてしまいます。もちろん空港や港でも厳しいチェックが待っており、まず不可能と思ってよいです。
相互監視もますます厳しくなっています。SNSや近隣住民の通報です。通報者には報奨金が支払われます。なんといっても連中は徴兵を忌避しようとする「非国民」なのです。
徴兵を逃れようとするなら死ぬしかないのです。それだったら万が一にも生き残れる可能性に賭けて前線へ行くようにした方が良いのではないでしょうか。
さて現代の徴兵官はどんな人を徴兵対象リストの上位に持ってくるでしょうか。
やはり氷河期世代です。国家にとって将来損失が最も少なくて済むからです。その中でも独身者で非正規雇用というのが狙い目です。若者でもニートや引きこもりは矯正教育の為に動員します。SNSで「キラキラ生活」や高所得をアピールしている人々も「特権階級の義務」というプロパガンダ枠で動員します。
招集状はスマホに直接届くので「受け取っていません」という言い訳は現代では通用しません。
もちろん徴兵制度が敷かれる事で良いことも沢山あります。
国にとっては次のようなメリットがあります。まず圧倒的低コストで労働力を調達できる事です。前線での兵役だけでなくインフラ整備や工場労働で人々を強制的に働かせる事ができます。
また戦時教育によって国民を均質化できるメリットもあります。これにより製造業に適した国民を大量に育成出来ます。
さらに国民による相互監視体制を強化できます。国に逆らう者を効率よく炙り出す事が出来ます。国民がそれによって一体となります。
最後に徴兵は調整弁として機能します。つまり失業者や社会に不満のある者を真っ先に徴兵して再教育し仕事を強制的に与えることが出来るのです。
このようにして国民という「資産」の効率的な活用が可能となるのです。
さらに闇の部分として、徴兵や戦争に伴う人身売買や臓器売買があります。世界の富裕層にとり見た目の良い男女や、新鮮な臓器、一体分の血液が容易に手に入る良い機会となります。
女性も慰安婦として戦地や国内で活躍します。やむを得ず私娼となる女性もいるでしょう。今よりも安いコストで女性の肉体が手に入ります。
戦争に伴う不安や恐怖は、人々のエネルギーと行動を活発にします。ボラティリティが高まります。創造と破壊が行われ儲ける機会が生まれます。
日本の方針転換は急ですが「良いものだった」と捉えて適応することが大切です。