フランスの作曲家フォーレによって19世紀後半に書かれたレクイエムです。レクイエムは、モーツァルトやヴェルディのものがとりわけ有名です。しかしフォーレの曲は、それらと比べて全体の透明感と平穏な美しさで際立っています。構成も室内楽曲的で声楽の美しさをじっくりと鑑賞することができます。
発表当時は、宗教関係者から「死の恐ろしさが足りない」との批判が起こりました。実際におどろおどろしい「怒りの日」は本レクイエムの中から省略されています。
しかしフォーレにとって、死は決して忌避すべき恐ろしいものではなかったのです。むしろ死を幸福や解放として捉えていたのです。フォーレ自身も作曲の動機を「喜びのために」と語っています。
3曲目の「サンクトゥス」です。喜びと希望に満ちた神への賛美が盛り上がる部分でのホルンが印象的です。
「ピエ・イェズ」です。イエスを讃える歌です。ソプラノ独唱による大変美しい曲です。ボーイソプラノで歌われることもあります。