kurukuru89’s blog

主に原始キリスト教、哲学、心理、日本人について、気の赴くままに語ります。知識ではなく新しい視点、考え方を提供したいと思っています。内容は逆説的、独断的な、投影や空想も交えた極論ですが、日本人覚醒への願いを込めたエールであり、日本の発展に寄与する事を目的とします。(ここで言う日本及び日本人とはあたかもそれらを代表するが如く装うが、理性が未発達な為、感情的に動き、浅薄な信条に左右され社会に仇なしてしまう集団や人々を主に指しています)これらを通して人間に共通する問題をも探り散文的に表現していきます。

「サム=サマンサ」 −友人としての男女−

よくある男が女になってしまうというコメディ映画ですが、結末は一風変わっています。ラブロマンスの要素もあります。意外に重要なテーマを扱っている寓話です。

 

プレイボーイで仕事もできる独身主義者のサムは、ある夜、友達の独身お別れ会に参加します。家に帰る途中で、ふと立ち寄ったアンティークショップの老主人から渡されたお茶を飲んで、彼はぐっすりと眠ります。ところが次の日に、小柄な女性になってしまった自分を発見することになります。驚愕しつづも、従姉妹のサマンサだと偽って何とか職場に戻ります。しかしそこで、女性として様々な経験をすることになります。

 

かつては仲の良かった上司に、髪を触られ、肩を揉まれ、ケツまで撫でられます。さらには「化粧をしろ」だの「服装に気をつけてイメージチェンジをしろ」だのとまで言われるのです。初めての生理を経験して、パニックになります。落ち込み、ひとり、バーで酒を飲んでいると、気味の悪い男にナンパされて不快な思いをします。

ちなみに、言い寄る上司から「仕事、仕事、仕事〜」と言いながらサマンサが逃れる場面がありますが、これは「ハムレット」に出てくる「Words, words, words」という台詞のもじりです。

 

彼は、それまで頻繁に感じていた男性特有の性欲がほとんど無くなってしまった事に気づき悩みます。親友だった医者のところに駆け込み、性転換手術まで考えます。彼に不思議なお茶を飲ませた老人を見つけようとしますが、その願いも叶いません。

 

けれども彼は、徐々に女性であることの良さにも気づいていくようになりました。豊かになった感受性を楽しむようにもなります。

あの老人がサムに対して「夫婦には友人としての関係も必要だ」と諭したのに対して、サムは「女性の利用価値はただひとつ」と返しました。そんな彼も変わっていったのです。男女いずれの性であったとしても、ひとつの人間の中には男性的要素と女性的要素の両方が存在します。その両方を持っていることが大切です。

やがて彼は、重大な決断を迫られることになります。結婚から逃れ続けた、優しさなど持ち併せていない男だったサムは、果たして、真の愛を知る人間に生まれ変わることができるのでしょうか。

★★★☆☆


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サム=サマンサ(字幕版)

新訳 ハムレット (角川文庫)