kurukuru89’s blog

主に原始キリスト教、哲学、心理、日本人について、気の赴くままに語ります。知識ではなく新しい視点、考え方を提供したいと思っています。内容は逆説的、独断的な、投影や空想も交えた極論ですが、日本人覚醒への願いを込めたエールであり、日本の発展に寄与する事を目的とします。(ここで言う日本及び日本人とはあたかもそれらを代表するが如く装うが、理性が未発達な為、感情的に動き、浅薄な信条に左右され社会に仇なしてしまう集団や人々を主に指しています)これらを通して人間に共通する問題をも探り散文的に表現していきます。

日本のアップサイドとダウンサイド

日本は良い面と比べて悪い面が目立つ国です。何処がそういえるのでしょうか。そして我々はどうすべきなのでしょうか。

 

現代は変動が激しい時代です。特に日本は大きな時代の変わり目にあります。そのような状況では物事のアップサイドとダウンサイドの両方を常に考えておく必要があります。

普通にメリット・デメリットという場合には、目に見える恒常的な性質を採り上げます。しかしここで紹介するようにアップサイド・ダウンサイドという場合には、稀ではあっても我々に重大な影響を及ぼすものをも考慮します。

 

アップサイドとダウンサイドのわかり易い例として保険があります。保険を買う側は、毎月一定額を支払います。これは定期的な損失です。その代わりにいざ何か思わしくない事態が発生した場合には莫大な保険金を手にできます。保険の売り手はその逆です。売り手は毎月安定した収入が得られます。しかし思わぬ事象(例えば世界的な疫病)が発生した場合には被保険者に対してお金を支払わなければなりません。

 

さてそれでは日本に住むという事で我々はどういうリスクを冒しているのでしょうか。逆に得られるものは何でしょうか。

 

以前の日本は働いても大して稼げない国でした。サラリーマンになっても公務員になっても年収はたかが知れていました。他の道を選ぶ事はできませんでした。その代わりに終身雇用が保証されており誰でもある程度の生活を送る事ができたのです。時代は高度成長期であり勝手に豊かになって行く事もできたのです。洗濯機や冷蔵庫、テレビにエアコン、そして自家用自動車が次々と手に入ったのです。

 

ところが今はどうでしょうか。以前よりも日本人の手取り額は確実に少なくなっています。世界はやはり進歩しており便利にはなっています。スマホも手に入るしネットで買い物もできるようになりました。だから状況が悪くなっている事に気づいていない人もいます。けれどもいつ解雇されるか分かりません。会社の経営は思わしくなく大企業であっても倒産する可能性があります。アップサイドはより少なくダウンサイドはより大きくなっているのです。

 

日本人は20歳以上になると毎月年金保険を支払わなければなりません。しかし貰えるのは65歳以上になってからです。昔は55歳で貰えたのです。日本人の平均寿命は短くなる事が見込まれており全く年金を支払われずに死んでいく人も多いのです。

 

日本には国民皆保険制度があります。これを素晴らしい制度と呼ぶ人もいます。掛け金が妥当なものであれば確かにそうです。しかしながら徴収される掛け金は昔と比べると法外なくらいに高くなっています。もちろん掛け捨て保険です。会社の負担分も含めて毎年100万円も支払うのだったら他にまともな保険があっても良さそうなものです。自費負担という方法だってあります。しかし国民の側に選択肢はないのです。

 

日本人の多くはマイホームを建てる夢を持っています。そのために長期ローンを組み郊外に家を建てます。しかしながら途中で家や土地を売ろうとすると二束三文となり愕然とします。これは一種の詐欺のようなものです。

 

日本ではクルマも維持しにくくなっています。希少なスポーツカーでもなければ中古車はかなり値落ちします。高額な税金と車検制度がありクルマを持ち続ければ持ち続けるほど損となる仕組みになっています。

たとえ古い日本車に乗り続けても部品が手に入らなくなり直してくれる所もなくなってしまうのです。古いものを大事に修理しながら乗り続けるという習慣がない事も拍車をかけています。

 

日本人は自称「世界でもっとも頭が良い民族」です。豚大卒の罪務宦僚であれば神のような扱いです。ところが実際はアジアの底辺大学卒なのです。

日本で頑張って勉強をしても多くの人が入れるのは日本の大企業や官公庁です。それどころかなまじ努力をしてしまうと日本の試験制度に最適化された人間になってしまう危険性すらあります。極めて狭い分野でしか通用しない役立たずです。しかも大卒とは云っても世界的水準と比べれば高卒と同じです。

 

たとえそれなりの大学に入ったとしても就職が控えています。そこでは人格や見た目も含めた総合的な評価をされます。例えば法人相手の一流銀行では太った人や見た目の悪い人は皆無です(入ってから太ったり人相が悪くなったりした人はいます)。

数え切れない程の「お祈りメール」(「お前は要らない」という企業からのメッセージ)を受け取った後に初めて勉強だけではどうにもならないものがある事を知り愕然とするわけです。精神的なダメージを受けて変調を来たしてしまう人もいます。

 

たとえ大企業へ入っても安泰ではありません。転籍出向があります。解雇とはいわないまでも実質的にクビと同じです。出向を繰り返した挙げ句に50歳代で役職定年となり最期は聞いたことも無いような大学を出た管理職の下で使われる事になります。

 

日本の女性は結婚が就職と同じ意味を持っていました。独身のままでは世間に居場所が無かったのです。結婚によって偏狭な田舎から抜け出し新しい夢を見ることもできたのです。

今はどうでしょう。女性から見ると相手は碌に稼げないような連中ばかりです。自分の稼ぎをあてにするヒモのような奴もいます。男性によってはDVの可能性もあります。そんな人間と40年以上一緒に暮らしていけるでしょうか。病的に男性へ依存している女性以外では子供を得るくらいしか男性には意味がないのです。

 

日本を巡る環境も悪くなっています。インフレが進み物価が高騰しています。賃金は上がりそうにありません。何もしなければますます苦しくなるだけです。デフォルト状態が既にダウンサイドなのです。

「貯蓄から投資へ」という言葉に従い投資をする他はありません。もともと貯蓄は「得られるリターンは限定的だが元本割れはしない」というものでした。ところが実のところはインフレによって既に元本割れしているのです。投資はいうまでもなくハイリスク・ハイリターンです。リスクをコントロールできれば良いのですが、素人の個人にはリスクヘッジの手段がありません。円安による資産増額で有頂天になり逆に円高では阿鼻叫喚と化しています。

 

自然災害の危険性もあります。東京は首都直下地震南海トラフ地震、富士山噴火の危険にさらされています。妄想ではなくて何時か必ず起きる災害です。近代国家の中でこれ程の危険に曝されていながら遷都をしない国はありません。しかし遷都をすると不動産を持っている多くの人々が莫大な損失を被ってしまうのです。

 

このように賭けの対象として見た場合には、日本はアップサイドと比べてダウンサイドが極めて大きくてアップサイドへの賭けが成立しないのです。

 

それにしても日本には良い面がひとつもないのでしょうか…? 実は日本にも僅かばかりの明るい兆しが見え始めています。

 

日銀による政策金利の変更によって金利のある正常な世界が戻ろうとしています。カネを借りて資金を右から左に動かしていただけのインチキ起業家や経営者が消えていきます。身の程知らずの借金をして割高な不動産を購入する人間も減ります。

また今年に入ってから幾つかのゾンビ企業が存亡の危機に瀕しています。中途半端に彼らを救済せずに潰すか大胆な再建策を実施する事で、日本は新しい決意を世界に対して示す事ができます。彼らは環境に適応できなかった敗者なのです。

中流階級は没落し始めておりこれから失業者が増えていくでしょう。しかし仕事はあります。雇用の流動化が進みます。そうして税金を納めてもらいます。もちろん働けなくなったら社会保障制度により彼らを救済します。低賃金を厭わずに働く労働者と安定した社会は外資にとっても魅力的なはずです。

 

だから安心してください。日本の未来には明るいシナリオもあります。日本のアップサイドに賭けるというのも、それはそれで悪くはないのです。