日本の強さというのは確かに西洋を驚かせました。特に日露戦争です。太平洋戦争は対独参戦の為に米国が日本を挑発した面もありましたが、実際の戦闘では日本相手に予想以上にてこずりました。
この日本の「強さ」がどこから来るのかを当然、彼らは研究しました。日本の将校はお話になりませんでしたが、現場の兵士は確かに強くしぶとかったのです。最後は自殺攻撃までして来ました。その強さの秘密は「洗脳」にあります。天皇を中心とする徹底した思想教育がそれです。
日本は昔から強かったように誤解している人がいますが、それは違います。白村江の戦いでは、唐・新羅にぼろ負けして全滅しています。元寇はご存じのとおり戦術的には負けており、台風と向こうの戦略的な都合により元が撤退したに過ぎません。幕末は軍事的圧力のもと、なすすべもなく外国人の為の居留地を置かされました。
明治維新後も、いわゆる「ノモンハン事件」ではソビエト・モンゴルに完敗していますので、帝国陸軍も無敵だった訳ではありません。
天皇は利用されただけかもしれませんが、明治維新以降、天皇の為なら○ねるとする思想教育、そして相互に監視しあい特定の行動、思想を強化しあう仕組みが功を奏しました。それに加えて、東京帝国大学の講義に代表されるような、記憶重視の湯呑み茶碗教育です。一部の支配層を除いては考える人を決して作らず、ひたすら従順に上に従う人間を量産したのです。それでも「考える人」は組織から排除されてしまいます。
戦後、日本にならってアジアに実験的に作られた国家が北朝鮮です。「将軍様」に絶対的な忠誠を誓う彼らは、確かに地上戦では日本などには負けないでしょう。もっとも彼らが日本を侵略する理由は皆無なのですが。
対して日本は徹底的に骨抜きをされました。天皇は人間宣言をし、国家神道は禁止され、修身教育は「道徳」へとって代わられました。日本人は精神の核と呼べるようなものを失いました。しかし暗記中心の教育は引き継がれました。考える人間を作らない為です。その方が日本人に合っていたというのもあります。
考える事をせず、ひたすら一方向へと集団で働く「エコノミック・アニマル」は世界の経済を席巻するかに見えましたが、それも所詮一時的な事でした。今は肝心の暗記教育もろくに受けられない貧乏人が増え、仕事もありません。リストラなどのコストカットは、外資やこの国の支配層にとってはブロイラーを屠殺している感覚にすぎません。戦争になればもっと効率的に人をカネに変換することが出来ます。今は日本国民から収穫する時期なのです。しかし肝心の国民は洗脳されている為に屠殺されるまで気づかないのです。