高中正義さんによる2025年ロサンゼルス公演での「黒船」の演奏です。曲自体はサディスティック・ミカ・バンド時代の1974年に作られたものです。
ギタリストとして有名ですが、希代の作曲家であり音楽プロデューサーでもあります。ロックにとらわれない美しいメロディとドラマチックな構成の曲、そして多彩で心地よい音色が魅力的です。
似たようなギターやエフェクターを揃えればあの音が出ると思うかもしれません。でも違うんです。優れた音楽センスによる音選び、独特の節回しや音程感、そして繊細なピッキングによるものなんですね。どんなギターや機材であっても出てくる音は独特です。
その卓越した楽曲と録音にも関わらず、今まで世界的には評価されて来ませんでした。というのも「ギタリストはブルースが基本でなければ」という暗黙の了解があるのです。エレクトリック・ギターが米国で生まれたものである以上、それはやむを得ないものです。
もちろんプロフェッショナルですから、ブルースやロックを難なく弾きこなすことが出来ます。しかしあえてそうはせずに自分の好きなジャンルを追求し、楽しんでいる姿勢が素晴らしいのです。そして何より「観客にもっと楽しんで欲しい」というサービス精神が、今でも多くの人に支持されている理由なんですね。
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