kurukuru89’s blog

主に原始キリスト教、哲学、心理、日本人について、気の赴くままに語ります。知識ではなく新しい視点、考え方を提供したいと思っています。内容は逆説的、独断的な、投影や空想も交えた極論ですが、日本人覚醒への願いを込めたエールであり、日本の発展に寄与する事を目的とします。(ここで言う日本及び日本人とはあたかもそれらを代表するが如く装うが、理性が未発達な為、感情的に動き、浅薄な信条に左右され社会に仇なしてしまう集団や人々を主に指しています)これらを通して人間に共通する問題をも探り散文的に表現していきます。

通貨の信用低下と貴金属の台頭

シルバーの価格が上がっています。ゴールドも含めた貴金属全ての価格がです。金融緩和が続き法定通貨の価値は希釈されています。更に株や債権への信頼が揺らぐ中で資産の最後の行き先が貴金属やビットコインなのです。

 

モノの価格は一定ではありません。大体の相場は在りますが時代と伴に変わって行きます。けれども人間が1日に可能な労働量は変わっていません。数十万年が経っても人間の精神と肉体はさほど変わっていないからです。

確かに1日の労働によって生み出されるモノと量は変わっています。資本と土地の利用、新技術やエネルギーによって一人の人間でも莫大なモノを作り上げる事が出来ます。ただしそのモノも、その時代の人間が満足するかどうかで価値が変わってきます。その当時に大いに持て囃されたモノが今では見向きもされないという事が起こり得ます。モノの価値は当てにならないのです。

 

しかし1日に適度な労働をする事で生活の糧を得て、自分と家族を養うという行為自体は変わりません。昔も今も人の労働量は変わらないのです。

上で述べたように、モノの価値は時代と伴に変わって行きました。しかしその中でも貴金属だけは全く異なります。貴金属は、労働量と等しくなる様な価格が常に与えられて来たのです。

金貨一枚の価値は、1ヶ月分の労働に対して支払われる報酬とほぼ一致しています。銀貨一枚の価値は、1日の労働量に大体等しいのです。

 

世界最古の金貨は現在のトルコ辺りに在ったリディア王国で生まれました。紀元前7世紀頃です。琥珀を意味するエレクトラムと呼ばれるゴールドとシルバーの天然合金から作られたのです。やがてゴールドとシルバーは分離されるようになり別々の価値を持つようになりました。

 

新約聖書にはカネの話がよく登場します。「無くした銀貨のたとえ」はドラクマ銀貨1枚を見つけた喜びを語った例え話でした。古代ギリシャドラクマ銀貨は当時のローマ帝国内でも広く流通していました。良く知られている有名なものでは知恵の象徴であるフクロウとアテナイが描かれたテトラドラクマ銀貨があります。

デナリウス銀貨は「カエサルのものはカエサルに」のエピソードで出てきます。ローマ皇帝の横顔が刻印されています。イエスが、ローマ帝国に税金を払う正統性を説明する際に用いました。その話からユダヤ人庶民の間でもデナリウス銀貨が一般的に使われていた事がわかります。

 

ドラクマ銀貨もデナリウス銀貨も、1枚がおおよそ1日の労働賃金に相当する価値であったと考えられます。現在の日本円に換算すると1万円〜3万円といったところでしょうか。

ユダがイエスを裏切った代償として得たのは銀貨30枚でした。これには象徴的な意味があります。一般的に誰かが所有する奴隷を誤って死なせてしまった場合の賠償金が銀貨30枚だったのです。屈辱的な安い値段でイエスは売られたのです。

 

また当時のユダヤ人は銀貨2枚を年に1回神殿に納めるようにと決められていました。神殿税と呼ばれる税金です。日本円にすると2万〜6万程度でしょうか。さらに貧しい人やレビ人の為に払う10分の1税というものがありました。

同時にローマ帝国にも税金を払う必要がありました。人頭税として凡そ1年に銀貨一枚、さらに地代として生産物の10分の1を支払わなければいけなかったのです。

こうして凡そ年収の2割以上を税金として取られていたのです。

こういったローマ帝国の重税に対する不満が在ったのです。これが最終的にユダヤ人の反乱へと繋がりました。そうしてローマ帝国に滅ぼされました。ちなみに今の日本では収入の半分以上を役人に納めなければなりません。

 

ヨハネの黙示録では食糧不足が生じて小麦一升が1デナリになると書かれています。つまり1日の給料でようやく家族1日分の食費が得られるという深刻な事態を描写しています。ちなみに日本での4人家族の1ヶ月辺りの食費を10万円とすると、1日当たりの食費は1日分給与の1/3となりこちらも可成り深刻です。実際に日本のエンゲル係数は28%を超えました。実態はこの数字以上です。コメ不足が常態化して以前なら食べなかった様な傷んだコメと農薬塗れのコメを競って買い求めています。

 

時代を下って19世紀アメリカのモーガン・ダラーと呼ばれる1ドル銀貨も1日の労働賃金に相当しました。ちなみにモーガン・ダラーと呼ばれているのは、イギリスの彫刻家ジョージ・モーガンによる美しいデザインが施されており今でも収集家に人気があるからです。同じ頃、明治時代に登場した日本の1円銀貨もおおよそ1日の労働賃金+αに相当しました。

 

このように価値を保って来たシルバーも、新しい産出地や技術の向上により供給量が増え価格が下がって行きました。更に供給量と需要の変動が激しい事もあり、ゴールドと比べても地位が低下して行きました。

しかし現代は金融緩和が長らく続きペーパーマネーの価値が大いに希釈されている時代です。金融緩和によって経済が刺激されれば良いのですが、日本の様に幾らカネを刷っても逆に経済が悪化しインフレからスクリューフレーションやスタグフレーションに陥ってしまう場合があります。そうなると相対的に貴金属の価格が上がって行きます。

 

また現在のトランプ大統領の政策は、言動を見る限り、行き過ぎた米国内の経済格差を是正するものだと思われます。これはレーガノミクスから基本的に続いて来た庶民から富裕層への富の移動を制限する事になります。つまり資本家や株主の利益を制限して庶民の所得を増やすというものです。そうであればこれから株式市場の劇的な上昇は望めなくなります。また不信感のあった米国債も関税政策を切っ掛けに下落しています。

 

結局のところ市場は、感情やイメージによって動いています。投資家は身構えています。トランプがまた何かを行えば暴落を繰り返すでしょう。しかし小さな暴落を繰り返すからこそ大暴落を防げているという側面もあります。

こうした環境を見れば貴金属やビットコインにカネが流れ易い状況になっています。

 

切り札としての金利を下げる事が出来れば米国債の価格は上がり、余ったカネも株式市場に流れざるを得ません。その一方で却ってバブル崩壊や金融破綻などの巨大な火種をこれからも積み上げて行く可能性があります。

結局のところ何がどうなるのか全く予想がつかないのです。しかしながら「良い事は積み重ねでしか起こらないが、悪いことは一瞬で起こる」という永遠の真実があります。最悪の事態に備えて置くというのは悪い事では無いでしょう。

 

経済システムが崩壊した時に頼りになるのは貴金属とビットコインです。もっとも強大な暴力装置を有する国家によってやがてはそれらの財産も没収されてしまうかもしれません。それでもしばらくの間は食い繋いで行く事が出来ます。

 

シルバーは歴史的な安値圏にあります。時価で取引される米国イーグル銀貨の重量は1オンスであり、1グラム180円とすると約5,500円です(小売で7千円くらいでしょうか)。1日の労働賃金と考えれば可成り割安です。

また金貨を日常の取引きに使うのは現実的ではありません。しかし銀貨ならば遥かに現実的なのです。

 

我々はペーパーマネーや帳簿上の数字に余りにも慣らされてしまいました。その認識の転換がいま起こっているのです。