kurukuru89’s blog

主に原始キリスト教、哲学、心理、日本人について、気の赴くままに語ります。知識ではなく新しい視点、考え方を提供したいと思っています。内容は逆説的、独断的な、投影や空想も交えた極論ですが、日本人覚醒への願いを込めたエールであり、日本の発展に寄与する事を目的とします。(ここで言う日本及び日本人とはあたかもそれらを代表するが如く装うが、理性が未発達な為、感情的に動き、浅薄な信条に左右され社会に仇なしてしまう集団や人々を主に指しています)これらを通して人間に共通する問題をも探り散文的に表現していきます。

ベートーヴェン「告別」:クラウディオ・アラウ

【告別】第1楽章

ベートーヴェンのピアノ・ソナタ26番「告別」は彼の友人であるルドルフ大公の為に描かれたものです。残された曲のスケッチには「心を込めて」と書かれてあります。

3つの楽章のそれぞれに「別離」「不在」「再会」というタイトルが付けられています。この「告別」のようにベートーヴェンが曲に直接標題を付けたものは多くはありません。それのみならず彼の個人的感情を描いたという点でもこの曲をユニークなものにしています。

 

本作は他のピアノ・ソナタと比べるとそれほど有名ではなく派手にも聞こえません。しかし技巧的に高度なものが求められます。それだけでなくベートーヴェンが求めた感情を正確に表現するのも困難です。経験を積んだ上級者でないと手を出しにくい作品です。

第1楽章でもアルペジオやトリルを機械的に演奏してしまうと「別離」どころか曲全体が滑稽で軽いものになりかねません。第3楽章で「再会」の喜びを表す為には跳躍したパッセージを速いテンポでかつスムーズに繋げなければなりません。それでいてせわしい印象を与えないように注意が必要です。

左手は力強くありながらもソフトに、右手は明確でありながらも流れるような響きが求められます。常に全体を考えながらスタッカートとレガートを使わけ、強弱のバランスをコントロールする必要があります。

この点でクラウディオ・アラウの円熟した晩年の演奏は、「告別」の極みとも言えるものです(出来ればモニター・スピーカーで聴くと更に素晴らしさが分かります)。

【告別】第3楽章

Beethoven: Piano Sonatas Nos. 13, 23 & 26