ベートーヴェンの弦楽四重奏曲第15番から、第3楽章です。ベートーヴェンは15番の作曲中に重い病にかかりました。この第3楽章は、病気から快復した喜びを描いたものです。コラール風の主題と、自身の健康に感謝しつつ喜びに溢れた主題の2つから構成されています。2つめの主題は、ベートーヴェンが描いた曲の中でも、もっとも美しい調べのひとつです。
15番となっていますが、実際に作曲されたのは第12番の後になります。第11番「セリオーソ」から、ベートーヴェンの曲調が変わり始めましたが、この15番では従来の4楽章構成からも離れ、自由な5楽章構成になっています。
ちなみに第15番の最終楽章はもともと、交響曲第9番の最終楽章となる予定で描かれました。結局、第九は現在の合唱を含んだ最終楽章が採用され、スケッチは第15番の5楽章となったのです。
演奏しているのは、デンマーク弦楽四重奏団です。メンバーはいかにも北欧系といった風貌です。若いですが、ヴァイオリンの音色が美しく、繊細で精緻なアンサンブルを披露しています。
Danish String Quartet - Beethoven quartet no. 15 in A minor, op. 132
(2つめの主題は、4:00からと 10:07 において繰り返されます)