kurukuru89’s blog

主に原始キリスト教、哲学、心理、日本人について、気の赴くままに語ります。知識ではなく新しい視点、考え方を提供したいと思っています。内容は逆説的、独断的な、投影や空想も交えた極論ですが、日本人覚醒への願いを込めたエールであり、日本の発展に寄与する事を目的とします。(ここで言う日本及び日本人とはあたかもそれらを代表するが如く装うが、理性が未発達な為、感情的に動き、浅薄な信条に左右され社会に仇なしてしまう集団や人々を主に指しています)これらを通して人間に共通する問題をも探り散文的に表現していきます。

ベンゾ依存の日本人

日本にはベンゾ依存症の人が沢山います。いわゆるベンゾ中毒です。なぜそのような人々が現れてしまったのでしょうか。彼らはどういった状態で日々を過ごしているのでしょうか。


ベンゾジアゼピン睡眠薬精神安定剤として良く使われています。BZD受容体に働きかけ、アルコールと同じようにGABA受容体を動かして神経の働きを抑えます。アルコールのように深刻な副作用がないため、アルコール依存症の人を治療する為にベンゾジアゼピンを処方することもあります。しかしこれから話すように好ましくない副作用もあります。

 

ベンゾジアゼピンはそれまで使われていたバルビツール酸系睡眠薬と比べればかなり安全です。アルコール等と併用しなければオーバードーズにより簡単に死ぬようなことはありません。しかし常用することによって発生する深刻な副作用があります。


ひとつは依存症です。精神安定剤なしでは居ても立ってもいられない状態となるのです。薬には半減期があります。クスリが体内に入ると成分の血中濃度が急激に上がります。濃度が最大に達した後は下がってゆき、半減期を過ぎると急激に薬効は失われます。半減期は薬効を絶やさない為の目安となります。たとえば半減期が8時間ならば、およそ8時間毎にクスリを飲むのが理想という事になります。


ベンゾジアゼピンの場合、大よそ半減期が長ければ作用が穏やかで、短ければ作用が強くなるといえます。

たとえば商品名「デパス」として知られるエチゾラムがあります。半減期は5時間です。半減期はあくまで目安であり実際には3時間、早い人になると1時間ちょっとで薬効が切れたように感じます。するとどうなるか。クスリをその度に飲みたくなるのです。これが依存症です。ちなみにエチゾラムは日本を含む数カ国以外では許可されていません。その他の国では麻薬扱いとなります。「デパス」でリアルタイム検索をすると、書き込みが多いことに驚かされます。十数分単位でツイートがなされています。

 

日本では一時エチゾラムを気軽に処方する習慣がありました。そのために依存症になってしまった人が大勢います。「肩が凝る」「腰が痛い」「生理痛が酷い」で直ぐに処方です。「なんか具合が悪い」といった不定愁訴にも処方します。薬効が直ぐに現れるので患者さんにも喜ばれたのです。


こういった精神安定剤が切れた場合の禁断症状のひとつとしてアカシジアがあります。激しい心理的な焦燥感だけでなく、見て直ぐにそれと分かる症状も出ます。絶え間ない貧乏ゆすりや歩き回りです。じっとして居られないのです。まともに考える事もできません。それが眠っている間以外続くのです。

アカシジア抗不安剤だけでなく抗うつ剤抗がん剤の副作用として現れることがあります。この症状が辛くて自殺する人もいます。あまり世間的には知られていない副作用です。アカシジアほど頻繁ではありませんがジスキネジアという副作用もあります。顔面などに発生する不随意運動で発生すると治らない場合もあります。


副作用を止めるには飲む量を増やすか、クスリの投薬をやめるしかありません。やめるといっても突然クスリを中断すると激しい禁断症状に襲われてしまいます。飲む間隔を広げても同じです。飲む間隔は同じにして徐々に減らしていくしかないのです。もし仮にクスリを飲まなくなっても体内に蓄積された成分によりしばらく副作用が続く事にも注意しなければなりません。低下した認知機能が元に戻る為には6ヶ月が必要です。完全にクスリへの依存を断ち切るのに10年以上かかることもあります。

 

医者は気軽に精神安定剤を処方します。しかし減らし方を知っている医者は日本にほとんど居ないのが実情です。下手に減らして患者から文句を言われたり恨まれたりするよりは、ずっと投薬し続ける方を医者は選びます。

 

それでは「半減期の長いクスリなら良いか」というとそうでもないのです。半減期が長い抗不安剤には「ソラナックス」等で知られるアルプラゾラムがあります。半減期は14時間です。「ワイパックス」等で知られるロラゼパムは12時間です。外国でよく使われているジアゼパムは50時間です。

半減期が長いものは、薬効が現れるのが穏やかな代わりに無くなった場合の離脱症状が消えていくのにも時間がかかり患者さんが自覚できない場合も多いのです。

たとえばクスリを減らしてしばらく経ってから「なんだか分からないが調子が悪い」「仕事にいけない」といった状態になるのです。そもそも心療内科なり精神科なりを訪れた主要な原因がまったく解決していないのならば、クスリをそのまま投薬し続けるか、増やすしかないのです。

また精神安定剤を飲む事によって前頭葉の制御が効かなくなり逆に怒りっぽくなることもあります。「奇異反応」と呼ばれるものです。また鬱病だった場合には、飲み続けると活力が失われ逆に鬱病は悪化してしまいます。

 

気軽に飲まれるベンゾジアゼピン系の睡眠薬も同じです。よく使われるブロチゾラム半減期が7時間です。それでは7時間経ったらすっきり起きれるかというとそうでもないのです。意外に薬効が続くのです。頭がすっきりしなかったり、体がふらついたり、筋力が低下していたりするのです。

当たり前ですが睡眠薬を飲めば寝てしまうので患者さんは「どれほど薬効が強かったのか」を自覚できません。アルコールは二日酔いという形で体にアルコールが残っている事を自覚できます。しかし睡眠薬だとなまじ「クスリを飲んでいる」と勘違いをしているが為に、そのような副作用をはっきりと自覚できないのです。

 

フルニトラゼパムはベンゾ系の睡眠薬でも強力なものです。日本ではジャーナリストや医者が女性を強姦する為に常用する事で知られています。気軽に処方してはいけないものです。しかし処方してしまう困った医者がいます。シンガーソングライターのカート・コバーンは、このクスリとアルコールを併用していました。その数週間後にコバーンはショットガンで自殺をしています。離脱症状も激しいのです。アメリカへの持ち込みは禁止されているクスリです。


さらに睡眠薬レム睡眠を阻害します。人はレム睡眠によって頭を整理し記憶を定着させます。睡眠薬は記憶を阻害してしまうのです。健康な人間はノンレム睡眠レム睡眠を交互に繰り返してやがて目覚めます。しかし睡眠薬を飲むと最初のノンレム睡眠が終わった段階で目覚めてしまいその後眠れなくなることがあります。


精神安定剤睡眠薬を常用する日本人が増えたのは、鬱病を「こころの風邪」と称し「気軽に心療内科を受診するように」との大規模なキャンペーンを張ったからです。

最初に睡眠薬抗不安薬抗うつ剤を用いて、1ヶ月以内に睡眠薬抗不安薬をやめるのが理想的な治療計画です。1ヶ月経つと耐性がつき大した効果が得られない代わりに依存性が形成されるからです。けれどもだらだらと処方し続けてしまうのです。

薬の処方が増えれば製薬業界が儲かります。また医者にとっても心療内科は机ひとつで始められる手軽なお仕事です。

 

このようなベンゾジアゼピン系のクスリを常用する事で他にもさまざまな副作用が発生します。筋肉がまったくつかなくなりどんどん痩せてしまう事もあります。歩くのも困難になります。代謝が悪くなり、免疫系が弱くなります。傷も治りにくくなります。筋弛緩作用があり呼吸もしづらくなります。記憶や認知機能が低下します。

抗不安剤睡眠薬を飲んだらクルマの運転は控えるべきです。しかしそれでは仕事に行けないので運転をして事故を起こす人もいます。

 

ベンゾの副作用や離脱症状は世界中で問題になっています。しかしながらベンゾに完全にとって代わるクスリは無い状況です。ただ気をつけなければいけないのは日本では比較的作用が強い薬が許可されているという点です。つまり効果が高ければそれだけ依存症になりやすく、そこから抜け出すのも困難になります。


もちろんベンゾジアゼピンがどうしても必要な患者さんがいます。てんかんを抑えるのにも強力なベンゾジアゼピンのクスリを使う場合があります。

いずれにしても精神安定剤を使うのは一時的なものであることを自覚したほうが良いのです。ずっと使うものではありません。

 

確かにお酒を飲むよりはベンゾを飲む方がいいかもしれません。またどうしても医者に行くべき状態もあるでしょう。自殺の危険性が高い場合などです。

ゆめゆめ「こころの風邪」という言葉に騙されて気軽に投薬を望むべきではありません。一度ベンゾの依存症になってしまったら、専門家の指導のもとで長期間に渡る慎重な減薬をしなければいけないのです。

アカシジアの例です。じっとしてられず常に歩き回ります。

こちらもアカシジアの例です。止めたくても自分では止められない辛さが伝わってきます。

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