kurukuru89’s blog

主に原始キリスト教、哲学、心理、日本人について、気の赴くままに語ります。知識ではなく新しい視点、考え方を提供したいと思っています。内容は逆説的、独断的な、投影や空想も交えた極論ですが、日本人覚醒への願いを込めたエールであり、日本の発展に寄与する事を目的とします。(ここで言う日本及び日本人とはあたかもそれらを代表するが如く装うが、理性が未発達な為、感情的に動き、浅薄な信条に左右され社会に仇なしてしまう集団や人々を主に指しています)これらを通して人間に共通する問題をも探り散文的に表現していきます。

成長への信頼を失った日本

今の世界では、個人の能力だけではなく、信用が大事です。情報通信技術の発達によって、広範囲にわたる信用の蓄積が重要になっているのです。

 

個人の信用と能力について、貸借対照表損益計算書を模した、簡単なイメージを作ってみました。下図がそれです。

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右側の箱が「貸方」、左側の箱が「借方」と呼ばれます。CreditとDebitです。右側が原因で左側が結果です。左上が現在の自分の状態を示します。つまり、信用があるからカネを得られて、それが資本(もとで)となり事業を始められます。これらが形を変えて、自分の資産(アセット)、すなわち、自分が現在備えている武器となるのです。

 

これによって、「今期の信用度や能力はこれこれであり、さらに自己研鑽をこれだけやったので、来期はこの程度の結果を生むであろう」という見通しがつくわけです。

これだけでは良く分からないと思いますので、上の図を加工したものを、下にあげます。

 

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右端に「信用」と「能力」という箱があります。信用があれば他人の協力を得られます。お金を貸してくれるかもしれません。あるいは「何かを教えてもらう」「無償で手伝ってもらう」という事もあるかもしれません。さらに自分の能力を使って仕事をし、その対価としてお金をもらいます。それが真ん中の箱です。

 

それらがインプットとなって、左上の箱にあるような状態となります。例えば、手元にある資金を使って、新しいPCを買ったり、事務所を手に入れたりするかもしれません。それは仕事をする能力の向上につながります。スキルも高まっている事でしょう。仕事をした過程において、信用度も増しているかもしれません。言ってみれば、現在の自分の戦闘力が、左上を見るだけで把握できるのです。これが資産(アセット)の意味です。

 

また下の箱に、「費やしたもの」(コスト)と書きましたが、自己研鑽や交友によって、自身の能力や信用を増すことができます。これで来期の予想が立ちます。こうして高められた能力や信用度が、右端の箱へとつながり、さらなる好循環を生み出します。

こういったサイクルによって、個人のみならず、社会全体が成長していくのです。

 

資本主義は、成長への信頼から成り立っています。未来への希望があるから、人は投資をするのです。まず相手に与えてから、貰うのです。カネはそれを媒介するものでしかありません。与えるのが先です。

大きなヴィジョンを描き、それを実現する能力の高い人が信頼されて、出資を受けるのです。

単に利ザヤを稼ごうとする行為は、投機と呼ばれます。誰かがトクをする代わりに、誰かが損をするゼロサムゲームです。

 

未来への希望や、相手への信頼が失われたときに、資本主義は成り立たなくなります。

日本はその嚆矢となっています。もともと日本は、縦割りで、小さな共同体が多いという特徴があります。お互いの関係も希薄です。転校や転職などによって、信用度はリセットされてしまうのです。いちから信用を築き上げねばなりません。

生まれてから引退するまでの信用の蓄積が必要となっているのに、これまで以上に、お互いを疑っているのが日本人なのです。

 

信用が無いから、上の図で示したようなサイクルが機能しません。個人や法人は、利益を貯めこもうとしています。出費は控えます。投資ではなく、コストカットに走ります。多大な出費を必要とするので、結婚や出産でさえリスクの高い賭けとなっています。

これは成長ではなく、衰退へと向かう社会です。らせん状に縮小する社会です。人々の間にも、信用と有能さの代わりに、不信と無能が、多く見られるようになりました。

 

これからは40代でクビになる時代です。今でさえ年金は65歳にならないと貰えないのにです。今のようなサラリーマンはいなくなるでしょう。多くの人々が個人事業主のようになります。年金にしても、ある日突然に「廃止します。あとは自己責任」などと言われ、幾ばくかのカネを渡されて終わりでしょう。生涯現役、人生100年の時代なのです。格差が広がっているだけでなく、社会全体が衰亡しています。

 

生活保護を貰うような人々は「卑怯だ」と言われる社会です。感染症にかかっても自宅療養を強制されるような社会です。弱者に厳しい社会です。仕事を失えば、野垂れ死にか自殺しかありません。

 

22歳から45歳までの間に出来るだけ稼がなければなりません。多くの日本人は15歳から働き始めるでしょう。全体のパイは縮小しています。未来は悪くなるばかりです。厳しい現実を直視しながらも、楽観的に行動しなければなりません。日本では今、究極の椅子取りゲームが始まっているのです。

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