サイコパスというと、猟奇的殺人者や異常な犯罪者を思い浮かべるかもしれませんが、実は成功している人たちの割合は、一般人と比べて多いのです。医師や弁護士といった知的職業に就いていたり、あるいは環境に恵まれれば一国の指導者となることもあります。というのもサイコパスには以下のような利点があるからです。
(1)情や良心に左右されることなく決断ができる。
(2)責められても平気でウソをつくことができ、恥や罪悪感を感じない。居直ることができる
(3)弁舌が比較的巧みで魅力がある
(4)想像力に富んでいる為、常人が思いもつかないような事を発案できる
この世には、役に立つ「良いサイコパス」(笑)と、役立たずの「悪いサイコパス」がいるのです。
ただし、「悪いサイコパス」が必ずしも犯罪を犯しやすいという訳ではありません。例えば宅間守は発達障害者で情緒欠如者(いわゆるサイコパス)と診断されましたが、彼のような例は極まれです。才能に恵まれない多くのサイコパス的人間は、社会に結局適応できずに人知れずドロップアウトしていくのです。
また逆に「良いサイコパス」にも問題があります。宅間守の場合、普通の人間の様に振る舞うことが彼にとっては非常に困難で苦しいものであり、その為、自己受容ができず、常に「死にたい」と考えていました。ところが才能のあるサイコパスは、「普通でないこと」が天才の証であるかのように勘違いしているところがあり、自省が出来ていない分、却って厄介な場合があるのです。
非常に恵まれたサイコパスであっても、世紀の偉人(笑)であるのか、あるいは禍をもたらす疫病神なのか、人によって判断は異なるでしょう。