哲学
ほとんどの人は無意識のうちに、自由よりも束縛を求めるものです。集団に帰属し、その規律に従う存在であれば、自分で何かを決断せずにすみますし、結果に対する責任もとらなくて良いのです。 日本人は集団への帰属意識が強い民族ですが、そのために次のよう…
人間は一人きりになりたいと思えば、たいていの人は、そうすることができます。部屋にこもったり、あるいは、どこか辺鄙なところに出かけて孤独を楽しむことができます。人間はこれを当たり前と考えますが、人間より上位に位置する高次の存在は、そのような…
物理学者、ジョン・ホイーラーの遅延選択実験というのがあります。実験装置から光を発生させ、その後、進路上に障害物を立てたり、立てなかったりすることによって、光が波のように振舞ったり、粒子のように振舞ったりするものです。光が障害物の有無を判断…
ゴーグル型の端末を使い、仮想現実で遊ぶようなことが最近では身近になってきました。それでは我々が、映画「マトリックス」のように、圧倒的なリアル感を持って仮想世界の中で暮らすことは果たして可能でしょうか。そしてそれを作り上げることは、我々にと…
旧約聖書の神を信じる人達にとっての、この世の目的を考えてみましょう。この世界に人がいる目的、それは実に簡潔に聖書のなかに記されています。 神は彼らを祝福して言われた、「生めよ、ふえよ、地に満ちよ、地を従わせよ。また海の魚と、空の鳥と、地に動…
人間が理性的存在であるためには、長期記憶の存在が必要不可欠です。記憶があるから自分が何者であるかが自覚でき、客観的に自省し、未来の計画を立てて実行に移すことができるのです。 この長期記憶が何処に保存されているのかは、はっきりと分かっていませ…
物理世界における時間と、精神世界における時間は、まったく別のものです。時間が止まった物理的な空間をイメージする事はできます。しかし時間の止まった自己というのは想像できません。このように、自己の本質は時間と不可分だと分かります。 さらに時間の…
人間の理性とはいったい何でしょうか。人を理性的存在たらしめているものと、他の生命体のそれとは何が違うのでしょうか。 「人間は考える動物である」という答えでは不十分です。カラスだって自分で考えて工夫することができます。しかし彼らは、物理世界や…
肉体とは別に魂のようなものが存在するのでしょうか。あるいは人間という生命体は完全に物理的要素から成り立っているのでしょうか。 仮に人間は物理的要素から全て成り立っているとして、さらに物質を完全に転送可能なテレポーテーション装置も発明されたと…
以前通りを歩いていたら、体を半分踏みつけられて、のた打ち回っているミミズを発見しました。ミミズにも「苦しみ」というものがあります。ゾウリムシにだって、のた打ち回っている様に見えないだけで、苦しみがあるのかもしれません。 もし下等動物や虫がよ…
平行世界を扱ったSF小説に「高い城の男」というのがあります。ドラマ化されて多少有名になりました。「ドイツと日本がもし戦争に勝ったら」という世界を描き、その中の登場人物達もまるでこちらを覗くように、「もしアメリカとイギリスが戦争に勝ったら」と…
人間に自由意志というものは、あるのでしょうか。生理学者、ベンジャミン・リベットの実験は重要な真実を提示しています。簡単に言いますと、人間の行動は自身が意識する0.5秒前に無意識のうちに始まってしまっており、人間の自己はそれを追認しているに…
「ゼノンのパラドックス」というものがあります。古代ギリシャの哲学者であるパルメニデスによって提唱され、ゼノンがそれを受け継いだものです。その一つ を簡単に説明すると、地点Aから地点Bへ移動するには、途中で無限の地点が存在し、その無限の地点を通…
「この世は夢幻である」という言葉は、それこそ「胡蝶の夢」のように、賢人から狂人、凡人に至るまで、古来から言われてきたことです。しかし現代にあっても、そのような疑念は残っています。 例えば、自分の手を壁に押し付けるとします。粒子レベルで言えば…