kurukuru89’s blog

主に原始キリスト教、哲学、心理、日本人について、気の赴くままに語ります。知識ではなく新しい視点、考え方を提供したいと思っています。内容は逆説的、独断的な、投影や空想も交えた極論ですが、日本人覚醒への願いを込めたエールであり、日本の発展に寄与する事を目的とします。(ここで言う日本及び日本人とはあたかもそれらを代表するが如く装うが、理性が未発達な為、感情的に動き、浅薄な信条に左右され社会に仇なしてしまう集団や人々を主に指しています)これらを通して人間に共通する問題をも探り散文的に表現していきます。

日本人の邪悪さは何処から来るのか

典型的な日本人に見られる「邪悪さ」というのは一体何処から来るのでしょうか。

「あの人は良い面もあるが悪い面もある」というようなものではなく、また程度の問題でもなく、常識ある人が「彼は邪悪だ」と判じ得るようなものについてです。

 

幕末から明治にかけて来日したイギリス外交官ミットフォードは、日本人について、猜疑心が強く人をなかなか信用せず、同胞に憐憫の情を抱かない、商人を軽蔑し武を尊ぶような振りをしながらも、カネに執着する、自惚れが酷くて助言を聞き入れず、外国との商取引においてカモにされている、彼らが得意気に語る武勇談にしても闇討ちをしてきたような人々だから、極めて疑わしい、という感想を述べています。

 

小説家の中島敦は1933年脱稿の「斗南先生」において、自身の伯父について、こう分析しています。
"論理的推論は学問的理解の過程において多少示されるに過ぎず(実はそれさえ甚だ飛躍的なものであるが)、彼の日常生活には全然見られない。行動の動機はことごとく感情から出発している。甚だ理性的でない。その没理性的な感情の強烈さは、時に(本末顛倒的な、)執拗(しつよう)醜悪な面貌を呈する。彼の強情がそれである。が、また、時として、それは子供のような純粋な「没利害」の美しさを示すこともある。"

 

これらを見ると、今とほとんど変わらない日本人の姿に驚きます。徳川260年の平和?も、明治維新も、戦後の経済発展も、精神的な進歩を何ら日本人には与えなかったようです。しかもこれらは当事の高官や教養ある人々について述べたものなのです。理性の無さと下劣さから来る醜悪さは、階層に関わらず、日本人に共通する性質のようです。

 

巷ではTVの犯罪報道を見て、老人が「どんな育て方をしたら、こうなるのかねぇ」、「---近所の人達の話によると祖父は容疑者を可愛がっていたそうです---」「そうか、やっぱり子供は甘やかしたらいかんなァ」などと語っていたりします。

 

また、とあるアニメでは「女を人間扱いしちゃ駄目っすねー」と男性が電車の中で談笑しているシーンがありますが、日本人にとって自分以外はモノでしかありません。怒鳴り散らし我儘に振る舞い、相手の惨めな姿を見ると初めて満足し、優しい言葉をかけたり微笑んだりします。これが現代日本人の感じる「あはれ」なのかもしれません...。

 

格下と看做した相手を軽く扱う一方で、テレビで偉い人や有名人がゲストとして招かれると、「すごーい!」とか「ほえーっ!」と周りが叫び続けていたりします。下々の人はキャバ嬢のような役割を常に期待されています。下卑た無条件の「おもてなし」精神が求められるのです。

 

彼らは、人生と真面目に向き合うのを避ける為に、事実を曲解し、一生懸命無駄なことに時間を費やして生きています。その為のエネルギーが下劣な欲望であり、彼らはそれを満たして束の間の喜びに浸ります。

 

彼らに背を向ける異質なものは、迫害したりオモチャにしていいと思っています。普段はよそよそしく知らん振りを決め込み、交通事故に遭った人を見かけてもさっさと素通りしますが、違う行動をしている人を見付けたら、非難がましい目付きでジロジロ見るべきだという卑しい習性を子供の時から持っています。

 

彼らは周りを気にして、表面を着飾り気取っていますが、中身は空っぽです。日本人は明確な宗教を持っていませんが、「地球上での永遠の命」を強調する西洋のカルト教団が信者数を伸ばした事がありました。他の連中は近いうちに死ぬが、俺達だけは地球を手に入れ、失ったモノ以上の御利益を得られる、その為には何を犠牲にしても構わないという、いかにも日本人が好みそうな教えでした。

 

一般の人も、神を買収できるとでも思っているのか、都合の良い時だけ、お賽銭箱に金を投げ入れて祈っています。幕末においてはヒステリックに外国人を恐れたり憎悪したりした日本人でしたが、「なんだ、外人もカネで言う事を聞くんだ」と彼らは勘違いしてしまい、今に至っています。

 

日本人は「抽象的なもの」「絶対的なもの」「普遍の法則」を知った時の「心地良さ」を感じることができない人々なのかもしれません。常に表層的なもの、現世的なもの、具体的なもの、手っ取り早くカネになるものしか興味を持ちません、それでいて、自分達の支離滅裂さを、表面上だけ覆い隠し、神秘的であたかも奥深いものを秘めているかのように振る舞うのです。 

悪い所もあるが優れて善い点もあるというのなら未だしも、人間として、まるで善い所が見当たらないというのが日本人なのです。

中島敦全集 全3巻セット (ちくま文庫)

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  • 作者:中島 敦
  • 発売日: 2009/03/25
  • メディア: 文庫