kurukuru89’s blog

主に原始キリスト教、哲学、心理、日本人について、気の赴くままに語ります。知識ではなく新しい視点、考え方を提供したいと思っています。内容は逆説的、独断的な、投影や空想も交えた極論ですが、日本人覚醒への願いを込めたエールであり、日本の発展に寄与する事を目的とします。(ここで言う日本及び日本人とはあたかもそれらを代表するが如く装うが、理性が未発達な為、感情的に動き、浅薄な信条に左右され社会に仇なしてしまう集団や人々を主に指しています)これらを通して人間に共通する問題をも探り散文的に表現していきます。

貧困層を嫌悪する中流階級 −社会的流動性が無くなった日本−

中流階級は、底辺層を憎悪しています。例えば地方出身者で、現在は都内に住み、自分の力でここまで上り詰めたと勘違いしている人達に見られる態度です。

 

貧困者や障がい者は、彼ら自身に問題があるのだと考えます。彼らに税金を使うのは無駄だと考えています。生活保護受給者を憎み、外国人を排斥し、障がい者に対する不妊手術や積極的な安楽死に賛同します。ナ○スを支持した人々と同じような考えを持っています。

 

映画「ジョーカー」において、証券マンが地下鉄車内でピエロをリンチにする場面は、弱者に対する侮蔑と嫌悪を象徴的に表しています。

ミュージカル映画ダンサー・イン・ザ・ダーク」では、共産主義国から来た貧しい移民の障がい者という偏見もあって、学のない底辺層の女性が、第一級殺人容疑で有罪となり絞首刑に処せられるシーンがあります。

 

彼らは見た目や服装で人を判断し、休日に出かけた先で彼らを見かけるような事があれば、嫌悪の表情を示し、あざ笑いながら、聞こえるように悪口を投げつけます。彼らの生活パターンや食べるものまであげつらい、爆笑しています。

低所得者が住んでいたような都内のエリアに、新築のマンションが建てられた場合に、対立が発生します。古くから住んでいた住民に対し「なんでこんな所に居るんだ?」といった無遠慮で敵意に満ちた視線を投げつけるのです。積極的に対立を煽っています。賢明とは言えない行為です。

 

下層中流階級に位置する者でも、「自分は頑張っている」と自認する人は、最下層の人たちに対して敵対的な態度をとるがことあります。日本は平等な国であり、自分は中流だという幻想から覚めていない人々です。

 

一方で、山の手に不動産を持っており、実家が小金持ちだったような人々は、貧困者に対してそれほど明確な憎悪は持っていません。話題に挙がる事があれば、むしろ同情的な態度をとります。もっとも、関心が無いので話題にすること自体がまれです。

 

天は人の上に人を造り、人の下に人を造ります。見た目や性別の違い、生まれた家庭によって階級が定まります。

遺伝か環境かという話があります。人生の早い時期では「育ち」が影響します。人生の後半になるほど「遺伝」の影響が強くなります。つまり、育ちによって矯正されていても、そのうちに自分の本性が表れてしまうのです。

育ちが良ければ、良い学校に行ける可能性が高まります。ところが、遺伝的に優れていなければそのメッキは剥がれていきます。

若いうちは、自分で制御できる範囲が限られており、受けた躾や環境によって結果が左右されるのです。ところが年を経ると、より自分で制御できる範囲が増えます。自分の性質にあった環境を、自ら選ぶ事ができるのです。生まれつき怠惰な者は怠惰な者へと、勤勉な者は勤勉な者へと、本来の姿に近づいていくわけです。

芸術家が、若い時よりも人生の後半になるほど、自由で独特な作品を作るようになるのは、こういった理由があります。

 

理想的なのは、早いうちから適正を自ら見出し、自発性的に能力を伸ばせるような教育を受けることです。例えば、ジェフ・ベゾスや、イーロン・マスクのような創造性に溢れる成功者は、そのような「モンテッソーリ教育」を受けています。

 

貧困者は育ちの面で不利なだけではありません。何年経っても、本来の自分に適した環境を選ぶことができないのです。

単純に考えてみましょう。上流階級出身者のIQも、正規分布に従って上中下の3段階に分かれます。ざっと2/3はその階級に相応しくない能力の持ち主です。しかし既得権益に守られ、その階級に留まる事が可能です。

一方で下層階級出身者も、その能力に応じて上中下に分かれますが、下層階級から這い上がることは困難です。

 

育ちによって階級が固定してしまうのは、国家にとっても大きな損失です。国の停滞や凋落を招きます。社会の流動性が必要です。

日本は新自由主義の国ではありません。大きな誤解です。今まで一度たりとも、自由主義の国であった事は無いのです。既得権益が全てです。世襲制、縁故資本主義がはびこる社会は衰退していきます。

 

市場における自由な交換と、各々の能力に見合った分業こそが、経済を活性化するのです。何度も言われてきたことです。アダム・スミスが「国富論」「道徳感情論」を書いた時、英国は重商主義の国でした。規制を増やしても、緩めても、結局は悪い結果しか生まないのです。国の干渉や統制が無いのが理想です。極端に言えば、政府は再分配の仕組みだけを担っていれば良いのです。

 

ここでカネの流れについて考えてみましょう。中央銀行は何も無いところからカネを生み出すことができます。そのツケは未来の国民が払います。

作られたカネは、各銀行に低利で貸し出され、一次請けの業者に渡っていきます。彼らはいち早く機会を掴み、効果的な投資を行えます。しかしながら、紙の紙幣が段々とよれていくのと同じように、カネも人の手を渡っていくにつれて、価値が目減りしていきます。

単にインフレの事を言っているのではありません。中央銀行が発行した1万円と、労働者に渡った1万円とは同じ価値ではありません。同じ労働者でも20日に給料を貰える人もいれば、翌々月の末日に給料を受け取る人もいます。

早くカネを貰えれば、最新のスマホを買えたかもしれません。治療を受けて、より快適な生活を送れたかもしれません。投資に振り向けることによって、より多くの利益を得られたかもしれないのです。機会を失うだけではありません。国内のカネが増えたことによって、価値も実際に目減りしているのです。

政府を介さないビットコインに期待している人々がいるのは、こういった理由があるからなのです。

 

社会浄化(ソーシャル・クレンジング)によって、下層階級の人々を表面から排除しても、居なくなるわけではありません。必ず存在するのならば、彼らを受け入れなくてはならないのです。

上流階級や中流階級だけで社会が成り立つわけではありません。上に立つのが相応しい人物もいれば、下で働くほうが合っている人もいます。固定化された階級は、国が崩壊する原因となります。社会の流動性を保つのは、国を構成するそれぞれの人々にとっても、利益をもたらすのです。

 

そうであれば、覆い隠すのではなく語るべきです。不言実行では社会は変わりません。喋らない、書くこともしないというのは、何も考えていないのと同じ事です。

Selma Jezková [final scene] - YouTube

階級(クラス)―「平等社会」アメリカのタブー (光文社文庫 フ 4-1)

チャヴ 弱者を敵視する社会

つくられた格差~不公平税制が生んだ所得の不平等~

21世紀の不平等

進化は万能である 人類・テクノロジー・宇宙の未来 (早川書房)

ジョーカー(字幕版)

ダンサー・イン・ザ・ダーク(字幕版)

ゼイリブ (字幕版)