日本人というのは何処にいっても、日本人同士で足を引っ張り合うのが好きな人々です。
例えばある作品を投稿できる海外のサイトがあって、それに関する匿名掲示板もあるのですが、そこには海外の投稿者の話題はほとんどなく、あるのは「あの日本人がズルをして点数を稼いでいやがる」といった怨嗟ばかりだったりします。
日本人にとっては、海外で何かショボイ賞を貰ったり金で買ったキャリアで、華々しく凱旋帰国して日本で儲けるというのが最も一般的なサクセスストーリーです。
たった1回の優勝であっても、日本に帰れば「世界が認めた日本のサムライ」とか、「世界一のXXXX」とか、「世界最XのXXX」などと、広告代理店、マスコミが祭り上げてくれて国民からカネを巻き上げるメシのタネにしていきます。
しかし当の日本人が海外で本当に成功して海外での活動が多くなってしまうと、逆に日本では見向きもされなくなってしまうのです。批評家達によって悪口を書かれるのはまだ良いほうで黙殺されて無かったことにされてしまうこともあります。
結局、この国では広告宣伝塔になってくれるそこそこの人間であれば実力はどうでも良いのです。国やその道の権威、メディアのお墨付きがあれば、この閉じられた小さな世界において、皆が囃し立ててくれて成功への道を歩むことができます。
いったんヒエラルキーの頂点に達してしまえば、太鼓持ちや馴れ合いによってその分野における地位はくつがえることはなく死ぬまで安泰です。だから大抵の日本人は「夢は海外」と言っても常に日本を意識しており、そそくさと日本に戻ってくるのです。