小型ロケットの打ち上げに成功したと大喜びの日本ですが、最近では日本が国家的事業として何とか国民に喧伝できるもののひとつが、宇宙ロケットの打ち上げです。
ロケットの打ち上げなんて、今や最先端のハイテクでも何でもなく、パキスタンだって、ウクライナだって、北朝鮮だって打ち上げられます。
新興国の衛星打ち上げに提供するとのことですが、莫大なコストをかけて、新興国がお客様の「小型ロケット運送業」をやる先進国があるのでしょうか。本音としてミサイル打ち上げシステム受注につなげたいのは分かるのですが…。
当然ながらロケットは、中距離弾道ミサイルや大陸間弾道弾ミサイルの開発技術を磨くのが主目的で、おまけで衛星の打ち上げや、宇宙開発事業などがあるわけです。兵器開発がコスト度外視なのは結構ですがミサイルが雌雄を決する時代だとは思えません。下手すると持っていることが原因で叩き潰されたりします。
夢が大切という考えもありますが、どっかの小惑星からゴミクズを拾ってきて、それで宇宙の謎が解けるとか、宇宙のロマンだとか、そんなお遊びに膨大な国富をかけてどうするのかという話です。カネがあるならいざ知らず、日本はもはや貧乏国なのです。地上で飢えている人がいるのに星空ばかり見上げている場合ではありません。
大学の研究費が削られるなか、宇宙事業に膨大な予算をつぎ込む目的はあきらかです。
国威高揚のために小型ロケット打ち上げを朝のニュースで中継し、花火でも見たように喜ぶとか、この国はもはや北朝鮮とあまり変わりません。どうせならICBMの打ち上げにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。そうすれば北朝鮮やインドとも肩を並べられて、国民も歓喜するでしょう。いつの日か核ミサイル様が日本を救ってくれると信じて。