kurukuru89’s blog

主に原始キリスト教、哲学、心理、日本人について、気の赴くままに語ります。知識ではなく新しい視点、考え方を提供したいと思っています。内容は逆説的、独断的な、投影や空想も交えた極論ですが、日本人覚醒への願いを込めたエールであり、日本の発展に寄与する事を目的とします。(ここで言う日本及び日本人とはあたかもそれらを代表するが如く装うが、理性が未発達な為、感情的に動き、浅薄な信条に左右され社会に仇なしてしまう集団や人々を主に指しています)これらを通して人間に共通する問題をも探り散文的に表現していきます。

無駄な努力を重ねて貧しくなっていく日本 -中抜きによる日本の弱体化-

日本人は必死に働いています。しかし貧乏になるばかりです。彼らはいったい何をしているのでしょうか?

 

こんな現場を想像してみてください。あくまでフィクションです。大手企業の基幹システム保守開発の現場です。情報システム子会社の下に、大手ITベンダーが何社も集められています。請負契約ですが顧客のフロアで一緒に仕事をすることを求められています。毎日朝礼があり、直立不動で話を聞かなければいけません。たまに慰労と称して、つまらない演芸が披露されることもあります。そんな時も立ちっぱなしで、終わったあとは拍手をしなければなりません。「ご安全に!」が挨拶の言葉です。

 

時々、ベンダーを招集する怒鳴り声が聞こえます。CCで送られてくるメールには、読むに耐えない暴言が書き連ねてあります。それが皆の気持ちを引き締めることに繋がるのだと信じ込んでいます。トイレの個室は、遠隔で監視されており、定められた時間を過ぎると、社員がやって来てドアを叩き始めます。

土日の勤務だけでなく、定期的に夜勤の当番が回ってきます。24時間365日、誰かしら仕事をしています。長時間労働は当たり前です。でも、残業を付けられないので深夜残業は存在しません。

 

過去の事故の影響もあり、とっくに潰れていてもおかしくはありませんが、政○系金融機関からの多額の融資を受けて生き延びています。ライフラインを担っていますが、値上げを繰り返しています。自分たちが信じる「安全」のためなら、人が死んでも構わないという文化です。

仕事自体は大したものではありません。けれども、一流のベンダーや優秀な技術者を揃えています。80%のものを100%にするために、信じられないようなコストをかけています。例えシステムが止まったとしても、たかだか毎日の集計が遅れるくらいなのにです。施設が爆発するわけではありません。

 

日本人は、(1)業者が、きちんと仕事をしているかどうかを監視すること、(2)完璧を目指すこと、この2つに執着し無駄なコストをかけています。本来の目的はどうでも良いのです。それでいて「想定外」の事故が起きると、真っ先に逃げ出します。昔の日本陸軍と同じです。

 

以前の「中抜き」IT業者は、気楽でした。見積もりはどんぶり勘定です。根拠を求められることもありません。提案らしいものもなく、会食の席でレターイン(letter of intent)をもらえたのです。あとは下請け業者に丸投げです。検収もいい加減です。たまにコストオーバーになる事もありますが、下請けに泣いてもらいます。その代わり、次に発注する際に埋め合わせはします。

退職した先輩社員は、下請けの営業と化して、仕事や単金アップを要求してきます。利益率が確保できる範囲で便宜をはかってやります。

 

それと比べて現在は、ちょっとしたミスも許されません。検収の際には、血眼になってチェックをします。もし上に納品した後で不良が発見されたら、自分の責任になってしまうのです。進捗状況を厳しく管理し、瑕疵が無いか何度も調べます。

保身を至上とするサラリーマンにとって、公の場で叱責されたり、謝罪したりするのは最大の屈辱であり失敗です。人生の終わりです。

 

「中抜き」のIT企業の場合、幹部候補生としてフラグが立っている新入社員は、(1)親会社や重要顧客のシステム保守を担う部署に就きます。親会社と子会社という厳格な身分制度はありますが、「ナアナア」で済ませられる雰囲気も残っています。普通にやっていれば失敗はありません。

それに対して、(2)一般法人を相手にする部署ではリスクが伴います。殿様商売ができる反面、理不尽なクレームを受ける場合もあります。しかも、常に新規案件をとりに行かなければなりません。(3)最悪なのは、新規事業部署です。コストや利益が度外視の代わりに、期待もされていません。将来は暗いです。一度でも失敗をしてしまうと、閻魔帳に記され、出世に影響を及ぼします。

 

日本の成功の秘密は、国民が素直な馬鹿だった所にあります。高度に組織化された奴隷国家です。安い労働力でモノを生み出すのに、最適化されたシステムです。他の国が作ったモノをコピーして、ずっと安い値段で提供しただけです。それが日本の「ものづくり」だったのです。

調子に乗った日本人は、完璧を目指して「あれもできます、これもできます」という無駄な機能を多く備えた製品を作りました。その結果、値段は高いものになりました。そんなものは必要ないのです。人々が求めているのは、シンプルで全く新しいものです。

 

現代は、問題を発見する能力、解決能力、共感力、創造力、デザインセンスを兼ね備えた人々が力を発揮する世界です。ITを駆使し、目に見えない洗練されたシステムをいかに速く作り上げるかが重要です。

以前は、知能指数というのは必ずしも社会での成功を意味しませんでした。現代では少し異なります。適切な教育を受け、適切な職に就けば成功します。抽象的に考えられる人間にとっては、大きなチャンスなのです。

 

ところが日本に目を向けると、「デジタル」と唱えただけで、何か新しいことをやっている気になる無能な人間が、社会システムを支配しています。いくら、先進国の表面を真似ても、もっとも大事なものは抽象的なシステムにあるのですから、追いつけるはずがありません。

日本の問題は、能力と裁量権との間に、大きなズレが生じているところにあります。未だに中世のような世襲性のままなのです。

 

もし日本が、無駄な努力を諦めて世界の下請け国家となっても、一億の人間は養えません。人口が多すぎるのです。崩壊は止められない所まで来ています。ポイント・オブ・ノー・リターンを過ぎています。「この貧乏人!」と互いに罵り合いながら、国全体が貧しくなったのです。

 

食糧や物資の争奪戦が始まります。在るのが当たり前だと思っていた工業製品は、次々と消えていきます。維持しようにも部品が手に入らなくなります。

食糧に至っては、炭水化物でさえも手に入れるのが難しくなります。安価なコーンスターチを使った加工食品に頼ることになるのです。牛や豚のような家畜と同じです。

 

普通の人が家族を想うときと同じように、例え、犯罪者やマフィアであろうとも、自分が築いた帝国はいつまでも安泰だと思いたがるものなのです。破滅の瞬間まで気づきません。1億の奴隷を有する国家なら、なおさらです。

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