自分の存在意義を他者からの評価に依存している日本人は、基本的に非常に不安定で脆い精神を持っている。そのために帰属集団からの是認、承認、また不特定多数からの尊敬を得られる「肩書き」、「名誉」を大事にする。そのような安定を得られない場合は、しばしば自分が帰属していない集団の人間に対する侮蔑、嘲笑、軽蔑という手段をとらざるを得ない。こうやって自分の精神の安定を保っている。
このような精神構造を持つものが、絶対的な道徳やポリシーを持ちえず、集団指導者によって容易に感化され易い相対的な道徳心しか持ち得ないのは、道理である。そのため、帰属集団内では馴れ合いによる表面的な平和、他の集団に対しては激しい攻撃性を持つという、相矛盾する日本人の二面性の原因となっている。