オーストラリアでの次期潜水艦導入計画で、日本が予想どおり失注しました。川崎重工は会見で、「ビジネスにつながるかどうか考えないといけない」と本音を漏らしました。初めから腰が引けていたのです。
それはそうです。日本政府がお客様で、国土防衛の為だと言えば、上限はあるもののコストはかけ放題、売値もほぼ当初の予算通り、こんないい環境はありません。よしんば儲けにならないとしても、企業としては様々な新技術の実験場です。納期にしたって我儘が通ります。
と ころが外国がお客だったらどうでしょう。納期を含めたチェックポイントでコストも進捗状況も厳しくチェックされます。お客からの度重なる仕様変更要求は当 たり前です。納入した潜水艦が当初の性能を出せなかったら巨額の損害賠償が待っています。条件は厳しくなり、それでも商売につなげる為には利益を出さなけ ればなりません。プロジェクト管理の仕方がまるで違うのです。
日本企業がビビッているのは当たり前なのです。今まで当然のように高い兵器を国に売りつけていたのですから競争力も無くビジネスになる訳がありません。
やれ世界最先端の技術だ、ハイテクだと得意満面に威張っていても、所詮そんなものはギミックで実戦は別です。自動車レースのF1やWRCを見てください。日本企業が大威張りで出て行っても、技術や金だけでは簡単には勝てないのがお分かりでしょう。
日本国内ではマスコミのお蔭で威張っていても、世界レベルで言えば日本の防衛産業や技術などは、この程度なのです。