とある戦争映画の大作を見ていて、そのオーディオコメンタリーで、担当したカメラマンが「自分は初めから望遠で素早く被写体を捉えるセンスがあっ た」と冷静に自分を語っているのを聞いて、日本人にはこのような自分のセンスや天分を感じとって信じ、それを伸ばす力が欠けていると改めて思いまし た。
英語で才能のことを"gift"、すなわち神からの贈り物と書きますが、日本人は無神論者なので自分に与えられたセンスを信じることが出来ずに、どうでもいい詰まらない人間の意見を参考にして動こうとするのです。
高級時計で復活したスイスメーカーの幹部が、日本のメーカーに関して、「優れた製品を作るのには優れたプロデューサーが一人居ればよい、それを日本人は集団でやろうとする」と語っていました。
それぞれの分野で秀でた人間一人が、それぞれの分野で強いリーダーシップをとる、それがまずもって一流の製品を生み出す必要条件です。日本人が得意としているようなモノマネの2流品、単に品質が優れているだけでの大量生産品の事ではありません。
日本人は自分のセンスを信じて動くことが出来ない。だから、信念を持つことが出来ず、他人のいう事に左右される。何でも会議で決めようとする。そしてスピード感のある適格な判断を下すことが出来ず、学問でも芸術でも戦争でもビジネスでも、世界の後塵を拝しているのです。