多くの人が誤解していますがサタンというのは、悪魔という名が似つかわしくない程、優しく紳士的な偽善者です。聖書に書かれているサタンの言葉はどれもそのようなものです。
へびは女に言った、「あなたがたは決して死ぬことはないでしょう。それを食べると、あなたがたの目が開け、神のように善悪を知る者となることを、神は知っておられるのです」。(創世記3:4-5)
サタンは主に答えて言った、「ヨブはいたずらに神を恐れましょうか。(ヨブ記1:9)しかし今あなたの手を伸べて、彼のすべての所有物を撃ってごらんなさい。彼は必ずあなたの顔に向かって、あなたをのろうでしょう」。(ヨブ記1:11)
それから、悪魔はイエスを高い所へ連れて行き、またたくまに世界のすべての国々を見せて言った、「これらの国々の権威と栄華とをみんな、あなたにあげましょう。それらはわたしに任せられていて、だれでも好きな人にあげてよいのですから。それで、もしあなたがわたしの前にひざまずくなら、これを全部あなたのものにしてあげましょう」。 (ルカ4:5-7)
すると、ペテロはイエスをわきへ引き寄せて、いさめはじめ、「主よ、とんでもないことです。そんなことがあるはずはございません」と言った。 イエスは振り向いて、ペテロに言われた、「サタンよ、引きさがれ。わたしの邪魔をする者だ。あなたは神のことを思わないで、人のことを思っている」。 (マタイ16:22-23)
サタンが存在しこの世の神であるならば、悪口を言っていれば何かしら仕返しをしてくるはずだとうと思う人が居るかもしれません。しかしサタンは優しく紳士的で、人を動かすにも論理的に話を進めていくので、いきなり乱暴な事はしないのです。いや自らは決して悪い事をしないのです。
サタンは数々の小うるさいルールや法律を定め、複雑な物理法則を作り、時間と空間によって縛られる因果律をもって世を制していますが、それを悟れない人間や、欲望に負けてルールを守れない人間や配下の御使い達を見て、彼らは何故、良い事を行う事が出来ないのかと本気で考えている自称善人なのです。
そして結果的に悪い事はすべて人間や配下の御使い達が行う事になるのです。自らは泰然自若として、なぜ君たちは罪を犯したのかと問い詰める、これが偽善者サタンの姿です。対してイエスは自分を善人だとは言っていません。
イエスは言われた、「なぜわたしをよき者と言うのか。神ひとりのほかによい者はいない。 (マルコ10:18)
またイエスは、律法学者のような偽善者は炎が消えずウジの尽きない地獄に落ちると糾弾しています。さらには自分は平和をもたらす為に来たのでは無いとまで言っています。サタンの表面だけを装った偽善ぶりとは偉い違いです。
悪人よりも自称善人というのがどれほど性質(たち)の悪い存在かお分かりでしょうか。