SNSで、現政権になってから労基の対策等により、大手の残業時間が減っているという書き込みを見たことがあります。
大企業における残業規制が厳しくなっているのは確かです。もともと日本での給料というのは、ボーナスや残業込みで、初めて人並みの暮らしができるようなものでした。大手の企業では、安価な社食や社宅、寮が完備されているうえに、基本給が高く、各種手当があり、さらにダラダラ残業することで給料を増やすことができました。問題になるほど過労状態にある社員、中間管理職は、虐められているか、便利な奴だからという理由で体よく使われている、賢いとは言えない人達です。
過重労働対策は何を目的としているかというと、会社側のコスト削減であるのは明らかです。ただし大手企業だと、仮に残業が廃止されても、給料増額があるから未だいいのです。また、長時間に渡って会社に縛られたくないという人には朗報でしょう。
大手企業としてはコストを抑えながらも生産性は大幅にアップしたい、そうして利益率を上げ、内部留保を増やしたいのです。しかし機械化やITに頼っても限界があります。どうするのか。言うまでもなく、そのしわ寄せは、下請け企業にいくのです。
下請け会社との契約は、働いた時間分、お金が貰える準委任契約ではなく、金額固定で、完成責任、瑕疵担保責任がある請負契約が増えています。しかもどんどん値切られています。要するに、下請けは安い金で雇われ、高いリスクを自ら背負い、仕事を完遂するまで働き続けないといけないのです。
大手の兄ちゃんやお姉さんが過労や過重労働で自殺すれば、それはニュースバリューがありますが、下請けのオッサンや、非正規雇用、フリーランス、留学生や実習生などが、いくら死んだところで噂にもなりません。
「お国のために、死ぬまで働け」、これが下層民に向けられた指導者様からのお言葉なのです。