太平洋戦争時に「竹槍事件」というのがありました。毎日新聞の記者が、陸軍の精神論を批判し「竹槍では対抗できない」と軍部を批判したところ、その記者の召集令状が出されたのです。
ところが既に30代後半の人間を徴兵するのはおかしいという批判が海軍から起こり、それをかわす為に、東条英機は同じ世代の人間250名を徴兵し、その兵隊達は硫黄島送りになり全員戦死してしまったのです。
日本人の杓子定規ぶりが表れているエピソードです。根幹となる規範やコモンセンスを持っていないが為に、ローカルルールの積み重ねや、その場しのぎの泥縄対応で物事が決まってしまうのです。そこに人の情や人権を考える余裕は微塵もありません。
小役人の秀才が首相になってしまった東条英機のように、今でも杓子定規に物事を考える日本人は多いのです。その度に多くの人間が死んでいくわけです。もっともその事に気づくことなく死んでいく愚かな日本人が多いのも確かです。