ディアベリ変奏曲は33の変奏からなるベートーヴェン後期の作品です。全体で演奏時間は1時間近くにもなりますが、ひとつひとつは短く、全体を通して聴いても飽きない多彩さがあります。特に第31変奏から最後の第33変奏にかけては聴き所です。
www.youtube.comアラウ(Claudio Arrau León)の弾き方は比較的ゆっくりとしたものですが、ベートーヴェンの多様な面を浮き彫りにしてくれる演奏です。
第16変奏 左手の低音の進行が、今で言うウォーキングベースのように聴こえる面白い曲です。(21:22~23:23)
第31変奏 ゆっくりとしたテンポながらもところどころ駆け抜ける半音進行のパッセージが今でもモダンな感じを受けます。(42:53~)
第32変奏 主題の無骨さをそのまま生かしフーガにしたような力強い曲です。後半は一転して軽やかで華麗な曲調になり、壮麗なカデンツァのあと、最後の33変奏に続きます。(48:08~)
第33変奏 霧が晴れたような清明さと、穏やかで優しい平和的な雰囲気がとても印象的な変奏曲です。ドラマチックな展開を経た後、穏やかに曲を閉じます。(51:29~)