最新のITを活用した人工知能の現状を、一般人はあまり知らされていません。というのもこの技術は人間の効率的な管理や選別に使われているからです。
例えば宅配ドライバーを管理する為のシステムがあります。GPS、ドライブレコーダーやGセンサー等からの通信データを基に、危険な運転をしていないか、サボっていないか、自律的にコンピューターが判断し該当者を挙げてくれるのです。これを応用したものはすぐにも一般車にも搭載されるはずであり、危険運転者と見なされた人の保険料は大幅にアップされる事になります。
人工知能のデータ解析の例を挙げると、米国においてですが、通販の購買動向から、「紺色のスカートを買った女性は3ヶ月以内に白い上着を買う」という傾向を弾き出したり、「ショッピングセンターにおいて紙オムツとビールが一緒に買われる」という経験則を出したりしています。また美味しいワインが出来る条件は、「前年冬に雨が多かった、かつ該当シーズンでの適切な気温、かつ該当シーズンで雨が多い」という結果が出ており、先物買いに利用されていたりします。コンピューターの高速化、および自律的なビッグデータのクラスター分析(ディープラーニング)が可能になって、こういう事(データマイニング)が出来るようになりました。
マーケティングでも活用され、個別のネット広告やリコメンド等のOne to Oneマーケティングや顧客の選別に使われています。最上の顧客からの電話はコールセンターのベテラン社員へ、どうでもいい客は自動的に新人オペレータに繋がるようになっています。もしディーラー等で軽くあしらわれている、クレームを言っても改善しないという不満を感じたら、それはどうでも良い客と分類されているという事です(笑)
このように労働者や消費者の分別は既に始まっています。膨大なツイッター情報、購買情報、SNS、ブログ等のデータは宝の山です。これら大量のデータは破棄されているのでは無く、全て記録されており(データレイク)、社会動向やトレンドを分析するのに使われています。近い内に断片的な個人情報やマイナンバーと結びつけて個々人の解析にも使えます。それに対してネットで購買も情報発信もしない人間は、新しい統治者にとって価値が無い人間、存在しないにも等しいのです。
このように世の中は、ごく少数の統治者と大多数の奴隷からなる二極化した社会へと向かっています。統治者の為の優秀なライン、スタッフとしてコンピュータが存在し、人間の手が必要な末端の仕事は奴隷にやらせます。
なぜITやロボット工学を使って多くの人を楽にしようと統治者が考えないのか? それは大衆を遊ばせて置くと、ろくな事にならないからです。まさに「小人閑居して不善をなす」です(笑) 秩序を守らせ忙しくさせた方が支配し易いのです。また正直な話、人間を使い捨てにする方がコストが安く済むからでもあります。