日本人はやたらとB級グルメを有難がる傾向があります。TVでラーメンやご当地グルメを特集すれば一定の視聴率をかせげます。有名店には、わざわざ開店前から行列ができたりします。しかし所詮B級です。
これは食の貧しさを自覚しながらも、せめて身近な食事をあれこれ持ち上げて楽しもうという積極的な姿勢と捉えることができるかもしれません。しかしもっとも大きいのはTV等のメディアによる影響でしょう。メディアで変わった食品を紹介すると、それが駄菓子やカップ麺であっても、次の日には売り切れが続出してしまう程、日本人は洗脳に弱いからです。
もともとB級であったものが高級な和食に化けてしまったものがあります。例えば寿司です。鮨はもともと屋台で売られていた、庶民が手軽に食べられるファーストフードでした。蕎麦も昔は極貧の人間が食べるものでしたが、今ではそこそこの値段がするものになってしまいました。
もともとB級ではあっても、売れてくると調子に乗り、付加価値調をつけた上で値段をどんどん吊り上げていきます。日本人は文句を言うどころか、ますます有難がって食べに行くようになります。生魚のきれっぱしを飯の塊に乗っけただけの寿司職人や、茹でた麺をごった煮スープにぶっこんだだけのラーメン職人(?)が大威張りです。職人はTVで、どれだけの工夫と技が込められているかを得意げに語ります。
高級品ではありませんが、焼きそばは、縁日の屋台で売られる子供向けのおやつだったのが、今や立派に普通の食事の仲間入りをしています。もんじゃ焼きを数千円で提供している店があります。この調子だと、そのうちに、焼きそばやうどん、お好み焼きも、日本が世界に誇る高級和食文化になっているかもしれませんね(笑)