世の中に因果応報という法則があります。運は貯められるという人がいます。世の中は上手く出来ているともいいます。つまり結局人生の収支が取れているというのです。中村天風などもその著作で、この世におけるこういった道徳のシステムの存在について触れています。
しかしこの因果応報の法則は完全ではありません。不公平であると言った方が良いでしょう。常に人生で勝ちを収める続ける人がいる一方で、負け続ける人もいます。そもそも子供の内に殺されてしまう人達は、どこで収支がとれているというのでしょうか。
TVドラマやフィクションではこの法則を感動的に演出しますが、これが詐欺に過ぎない事に気づいている人達は、常に悪事を働く事によって人生を上手く生き抜く事が出来るのを知っています。
結局この因果応報という、人をたぶらかす法則はサタンが作ったものです。
良いことをしようと小さなゴミをいちいち拾ったり、誰も居ない交差点で信号が青になるのを待ち続けたり、募金をしたり、誰もが気の毒に思うような老人に手を貸したり、そういう行為を積み重ねる小さな偽善者がいる一方で、大きな嘘をつき他人の犠牲の上で勝ちを得る人たちがいるわけです。
またわたしは悪人の葬られるのを見た。彼らはいつも聖所に出入りし、それを行ったその町でほめられた。これもまた空である。 悪しきわざに対する判決がすみやかに行われないために、人の子らの心はもっぱら悪を行うことに傾いている。(伝道の書8:10-11)