彼は特にギターの和音(コード)の響きが好きだったように思います。ギターはチューニングが完璧でないために、コードを弾くと音が揺らぎ(にごり)ますが、反面、この独特の響きはギターの魅力でもあります。シンコペーションを多用し煌びやかで明るいギターサウンドを奏でている、"If I Needed Someone"や、"Here Comes The Sun"などを聴くとジョージの嗜好がよく分かります。
"The End"では、ポール、ジョージ、ジョンのギターソロをそれぞれ聴くことができます。ポールはハマリングオンやプリングオフを多用したやや速いが正確な演奏、ジョンは、歪んだ音でリズムに乗せて勢いで聞かせる演奏、ジョージは適度に歪ませたサスティーンのある音で、チョーキングを織り交ぜた、いかにもエレキギターらしいソロを奏でています。