企業の合併や、グループ企業の完全子会社化等がよく聞かれるようになりました。これはスケールメリットを狙ったものではありません。経営者、役員による、生き残りをかけた壮大なババ抜きゲームが行われているのです。
昔とは異なり、現代の経営者は半期毎の短い期間で確実に実績を出すことが求められています。売上高や利益率などです。呑気に投資開発や市場開拓をしている暇などありません。数字が上がればいいのです。しかし達成不可能な数字なので粉飾するか、無理矢理、利益を捻り出すしかありません。
連結決算での業績報告や、企業の合併、子会社化は、要するにタコが自分の足を食っているようなものです。下っ端従業員を犠牲にして数字をひねり出しているのです。利益のつけかえ、天下り社員の受け皿確保、給与引き下げ、間接部門や不採算部門のリストラです。
企業グループが言わば自分の身を切り売りしているので最後には売るものがなくなります。経営者と言えどもババ抜きゲームなので誰かが最終的に、このツケを払う羽目になります。そうならないように必死で努力しているのです(笑)。
昨今のコンプライアンス強化、セキュリティ強化は、リスクを下位の従業員に負わせる策のひとつです。商売をする上で完全なコンプライアンス尊守、セキュリティ尊守など出来るわけがありません。「セクハラ禁止」ならば社内恋愛、社内結婚も許されません(笑)。要するにダブルスタンダードになっている訳です。懲戒の対象となっていますので何かあれば従業員に責任を押し付け、トカゲの尻尾切りが出来るのです。
これらは全て、経営者や役員にとってのローリスク、ハイリターンを目指した経営なのです。
少子化で人口が減れば税収も減ります。公共投資は少なくなり、この先の景気は期待できません。宗主国への献上金も滞り、この国は国際的な存在価値を失っています。個人消費に依存する外資企業は真っ先に日本から撤退しています。こうした状況を分かっているからこそ、多くの人々が資産を海外に移し、逃げ出すタイミングを見計らっているのです。