エイリアンシリーズの原点に戻ったような、ダークでホラーチックな展開に、「プロメテウス」にあった「我々はどこから来たのか」、「我々はどういう存在なのか」、「新しい生命の創造」といった哲学的な要素も継承されている映画です。
人工生命体であるアンドロイドの視点で描かれており、アンドロイドの目覚めで始まり、最後もアンドロイドの語りで終わります。
冒頭のシーンで流れる、ワーグナー(Richard Wagner)作曲の「ヴァルハラ城への神々の入場」のぎこちないピアノ演奏も、映画の最後ではフルオーケストレーションで輝かしく鳴り響きます。新しいエイリアンの誕生シーンも、どこか勝利に満ちた感動的なシーンとして描かれています。
この作品では、人間という存在の始まりが奇跡であったように、完全な生命体であるエイリアンの誕生も、英知に満ちた輝かしい創造力の産物として描写されているのです。