kurukuru89’s blog

主に原始キリスト教、哲学、心理、日本人について、気の赴くままに語ります。知識ではなく新しい視点、考え方を提供したいと思っています。内容は逆説的、独断的な、投影や空想も交えた極論ですが、日本人覚醒への願いを込めたエールであり、日本の発展に寄与する事を目的とします。(ここで言う日本及び日本人とはあたかもそれらを代表するが如く装うが、理性が未発達な為、感情的に動き、浅薄な信条に左右され社会に仇なしてしまう集団や人々を主に指しています)これらを通して人間に共通する問題をも探り散文的に表現していきます。

お山の大将、ルシファー

そのむかし、別の世界にルシファーという名の科学者がいました。彼は動物を集めた理想のテーマパークを作ろうと提案し、仲間を集めて建設に取り掛かりました。彼はとりわけ、2人のサルに御執心でした。アダムとエバという名を付けて可愛がっていたのです。

しかしその内、ルシファーは勝手にサルのDNAを改造し始めました。彼らの姿は最初とは似ても似つかないものになりましたが、サルに「これは良いことだ」と思わせるのに成功しました。さらにはこのサル共を、狭いサル園のなかで勝手に繁殖させ始めました。そしてサル園の設備を拡張し充実する一方で、増えたサル共に徒党を組ませ、互いに争わせて楽しんでいました。

ところが長生きするにつれて少しずつ知恵を付け始めたサル共が、管理者であるルシファーに反抗するようになってきたのです。ついには団結してルシファーを初めとする科学者達を弾劾するまでに力をつけて来ました。

ルシファーは決断します。「サルを殺処分にしよう」 こうしてサル園に大量の水を流し込んで、彼らを綺麗に溺死させたのです。ルシファーが選んだ家族を除いて…。ルシファーは彼らに優しく言います。「この広いサル園を全て与える。君達の自由なように世界を作るが良い。我々はもう介入しないから」

そう言う一方で、「サル共がまた知恵を付けないように、これから生まれるサルは、ある年齢に達する前に始末することにしよう」と他の科学者に命じました。またサル園をドームで覆い、科学者達はサルが見えない所で働き、サル共に、このサル園が世界の全てであり、サルは自分の自由な意思で生きているのだと信じ込ませるのに成功しました。

この状況を見て悲しんだ一握りの科学者が、ルシファーに談判します。ルシファーは「彼らが望んだ結果であり、奴らもこの世界を楽しんでいる」と最初は断りますが、「それでは猿の格好をしてサル園に入って、彼らを説得するがよい。我々の姿を見たらサルが驚いてしまうから」と譲歩しました。

こうしてイエスという名の、良心的な科学者の代表者がサル園に入ったのです。しかしサル達の状況は思ったよりも悪く、イエスに「俺は青いビー玉を持っているが、あのサルは虹色のビー玉を持っている。俺にもくれ!」と言います。また他のサルは「あいつは赤い布切れをまとっている、俺も欲しい!」と嘆願します。ルシファーは、何の価値も無いビー玉や布切れを、価値あるものとしてサルに信じ込ませ、争いの種にしていたのです。

そしてついにイエスは、「あいつは不思議な技を使って、俺の民を横取りしようとしている」と怒ったボス猿の手下共に囲まれて、なぶり殺しにされてしまいました。

この後、科学者でありながらも腕っ節の強いミカエルが、仲間を引連れて実力行使に出ました。ルシファーはボコボコニにされ泣きながら、仲間と供にサル園の管理室に立て篭もりました。ミカエルはこの管理室に外から鍵をかけ、二度と出て来れないようにしました。

ルシファーの居なくなった平穏な世界で彼らは相談します。

「ルシファーとあの愚かなサル共を、この馬鹿げたテーマパーク諸共消してしまおう」 

「いやルシファーの罪の贖いは死なせるだけでは到底足りない。永遠に拷問部屋で苦しませてやろう。しかしあの愚かなサル共の中には、イエスの言う事を信じた者が少数居るようだ。彼らは救ってやろう」

「しかしあの狭いドームを世界の全てと思い込んでいる者達だ。いきなり外に連れ出し我々の姿を見たら驚いて錯乱してしまうに違いない」 

「そこだ。まだ時間が必要だ。だがサル園をどう管理・運営していくのかは、ルシファーとその仲間達しか知らない。だから時が来るまでは引き続き、奴らにサル園の管理をやらせるしかない」

こうして今日も、ルシファーはサタンと呼ばれながらも、管理者としてこのサル園の運営を行っているのです。