kurukuru89’s blog

主に原始キリスト教、哲学、心理、日本人について、気の赴くままに語ります。知識ではなく新しい視点、考え方を提供したいと思っています。内容は逆説的、独断的な、投影や空想も交えた極論ですが、日本人覚醒への願いを込めたエールであり、日本の発展に寄与する事を目的とします。(ここで言う日本及び日本人とはあたかもそれらを代表するが如く装うが、理性が未発達な為、感情的に動き、浅薄な信条に左右され社会に仇なしてしまう集団や人々を主に指しています)これらを通して人間に共通する問題をも探り散文的に表現していきます。

完璧を求める日本人

日本人は完璧さを求めます。無駄な所にです。立てられた計画は杜撰です。しかし下々の者は完璧でなければなりません。

 

戦時中に作られたプロパガンダ映像が残っています。戦闘機や観測機を少年少女が作っています。ラッパの合図に従って動く流れ作業ですが、たった一人でも遅れると、全ての工程が止まってしまいます。映画では「これが日本的タクトシステムだ」と誇る一方で「一人でも怠け者がいると、全体に影響する」と、これを観るであろう観客を叱咤しています。

末端のミスひとつで計画が頓挫するなんて、何と脆弱で余裕の無い計画でしょうか。個々人の精神力に頼り、失敗すれば末端に全ての責任を押し付けるシステムです。

 

日本の教育もこのような考えに基づいています。教育を受ける者全員を、ネジや部品を正確に作るように躾けていきます。先の国策映像では、不足している戦闘機乗りを養成するシーンがあります。木造の粗末なトレーニング機器に少年を座らせ、後ろに居る教員の声に従って、右に舵をきったり、左に舵をきったりしています。あるいは、紙芝居のようなパネルに一瞬映し出された絵から、敵機が何機いたかを、速く正確に答えるように要請されています。

「考える」訓練ではなく、言われた通りに動く訓練です。戦場や社会に出たら、そこで初めて自分で「考える」ことを学ぶのです。そうでなければ、早晩くたばるのです。

 

徴兵により若い男性が居なくなったので、女性たちが汽車を運行し、線路工事も行い、シンクロも付いていない貨物輸送車を運転しています。「日本女性の力だ」と映画のナレーターは叫んでいますが、映像に映る彼女らはみすぼらしい姿で、掛け声に合わせ、一斉にヤスリ掛けをしたり、ハンマーを打ち下ろしたりしています。一心不乱に言われた動きをしているだけです。

郵便も女性の仕事で、異様な速さで郵便物を仕分けしたり、何かに取りつかれたような動きで切手にスタンプを押しています。まさか、あのペースで1日中作業を続けていたのでしょうか。とんだ「女性が活躍する時代」があったものです。

 

憑かれたように働く労働者を見ると、心を無にして速く正確に仕事をするというのが、日本人の血に刻み込まれた性(さが)のように見えてきます。日本人を見て「気持ちが悪い」と感じる理由のひとつです。

強迫性障害のような完璧主義は、現代の日本人にも多く見られます。彼らは80%のものを100%に近づけるために、無駄な努力を繰り返します。"perfect is the enemy of the good" とは良くいったものです。

 

映画の中で、ガリガリに痩せ細った半裸の少年や、汚いモンペをはいた女性が整列し点呼を受け、そのあと、劣悪な環境で重労働に従事している姿は、奴隷以外の何物でもありません。

彼らはご飯に梅干しのような粗末な食事で頑張っていたのです。ムチ打てば、文句も言わずに死ぬまで働いてくれたのです。同じようなスーツに身を包み、就職戦線へと向かう今の学生たちの姿もこれに重なって見えます。

 

労働をするには幼すぎる子供達は、空襲に備えての避難訓練です。動画では「大人の足手まといにならぬように」と言われています。「てめえの体は自分で守れ」という訳です。しかもその理由がふるっています。「将来、お国の為に役立てる大切な体だから」というのです。自分の体は自分のものでは無いのです。

さらに驚くべき事には子供の価値がゼロに等しいのです。カネを生まず、組織の末端成員なので当然です。どれだけの人間が頭を下げるかによって人間の価値が決まります。老人に近づくにつれてその価値は増えていきます。

この国にとって人間はモノと同じです。機械のように動かねばなりません。100%完璧に動作しない人間はクズです。ゴミです。全てか無かの社会です。

 

それでは「上はまともか」というと、そうではありません。南国の先住民みたいな人間が国を統べています。良くて村長(むらおさ)レベルです。

彼らの意思決定が遅いのには呆れます。下手に付き合うと1年や2年くらい、御用聞きだか要件定義だか分からないような事をする羽目になります。

Aという勢力とBという勢力がせめぎ合っていて、なかなか方針が決まりません。いつのまにかCという新しい勢力も生まれています。会議で一歩前進したと思ったら、次の会議では2歩や3歩後退したりします。これも彼らの完璧さを追求する性(さが)によるものでしょうか。

 

こうした完璧さを求める方向がたまたま時勢に合っていると、大成功を収める事ができます。例えば富国強兵や、日本海海戦真珠湾攻撃戦後の高度経済成長とかです。

「バスに乗り遅れるな」とばかりに、周りに合わせて頑張った結果です。しかしその方法に固執するが為に、結局最後は、成功を上回る大失敗で終わります。彼らの立てた計画は、何回会議を重ねても、所詮猿真似の域を出ないのです。

 

富国強兵がどういう結果で終わったか、戦後の高度経済成長がどのようになったのかを見てください。日露戦争からバブル崩壊までが、日本が世界に栄華を誇った時代でした。壮大な喜劇的実験は終わりました。一国の栄華は100年ほどしか続かないものです。日本人は歴史から学ばねばなりません。

https://www.youtube.com/watch?v=K9m_gRiWxMI

https://www.youtube.com/watch?v=K4C9RSUwjC8

https://www.youtube.com/watch?v=eQb-y4ZIWjU