ベートーヴェン最後の弦楽四重奏曲である第16番は、彼が死ぬ直前の1826年に書かれました。楽章を増やし、あれこれ試したそれ以前の弦楽四重奏曲と比べて、シンプルな4楽章で構成されており、がっしりとした緻密な構成感や広大さは無いのですが、各楽章が短くそれぞれ個性的な魅力があって、何度も好んで聴いてしまうところがあります。下に紹介するスケルツォ楽章(2楽章)はリズムが面白く、最後までベートーヴェンらしい冴えを感じさせます。
www.youtube.com(ハーゲン弦楽四重奏団(Hagen Quartet)による演奏で、意図的に音の立ち上がりを抑えた冒頭と比べて、執拗に同じ音型が繰り返される中間部( 02:01 )の激しさが印象的です)