ベートーヴェンが西洋音楽の中で重要な位置を占めていることは間違いありませんが、彼の人となりと同様に、彼の音楽はとても変わっています。まったく異質なものだったら、人々に理解されるはずもありませんが、特異でありながら、多くの人々に熱狂的に受け入れられる形で、しかも音楽史を転換させるような作品を送り出したというのが凄いところです。
現在でも古典作品として繰り返し演奏されるだけでなく、多くの人に新鮮な息吹やインスピレーションを与え続けています。
彼の音楽の多くは、簡単なコンピュータミュージックで演奏されたものでも、その素晴らしさを感じることができます。その時代の流行に乗りアレンジだけを工夫したような消耗品の音楽とは全く違うものだからです。さらに作品に共通する、ある異常なものが、世代を超えて人々を魅了し続けていきます。異常だから何時の時代でも新鮮なのです。
www.youtube.comBBCのドラマも交えたドキュメンタリー"The Genius of Beethoven"から、ジュリエッタ・グイチャルディ(Giulietta Guicciardi)にピアノのレッスンを施しているシーンです。ピアノソナタ第14番(月光ソナタ)の最終楽章で「この部分をどうやって弾くのか?」と尋ねたつもりだったのに、ベートーヴェンが全力で弾ききってしまうところです。
www.youtube.com(こちらはハードロック風の”月光ソナタ”ですが違和感はありませんね。)