ベートーヴェンの死後、手紙に残された「不滅の恋人」を秘書のシンドラーが探し求めるという冒頭から、回想的に、この風変わりな作曲家の人生が明らかになっていきます。
Gary Oldmanが主演を勤めており、ベートーヴェンを扱った映画やドラマの中でも、理想を追求した偉大な作曲家としてではなく、激しい気性を持ち、身勝手で安定しない性格の異常者として彼を表現し、生々しい人物像が伝わってきます。
最後に「不滅の恋人」が墓標を見つめるシーンで、ピアノ協奏曲第5番「皇帝」の最終楽章が流れ、惨めで悲惨な生涯でしたが、死ぬことによって、ようやく皆に愛される伝説的な楽聖となった人間を描いています。