日本人にはまるで投げやりとでも言えるような態度が見られることがあります。深刻な物事に対する恐るべき鈍感さと無作為、あるいは極めて不適切な行動が顕著なのです。
以前、エネルギー関連企業に抗議に行った人がSNSで、若い男女の社員達がニヤニヤ笑いながら見ていたという、怒りの言葉を発していたことがありました。彼らにとってみれば「見てみろよ、ニュースでやっていたけれど、こんなところまで来ているよ、面白いね」「俺たちに抗議されたって困るよなwww、何も変わる訳が無いんだし」という程度の事象に過ぎなかったのです。
また、仮にあるプロジェクトが進行中だとします。ひとつのチームの進捗が芳しく無く、そこのリーダーは誰とも無しにそれを呟きます。すると誰かが「実は俺のところも遅れているんだよね」と言い、こうして次の会議では、仲良く全員揃って「遅れています」と報告することになります。その結果プロジェクト全体が遅れて、何処かにしわ寄せが行こうが、全体の業績に影響しようが、はたまた社会がどうなろうが、どうでも良いのです。
あるいは、個人が気の進まないプロジェクトにアサインされることになったとします。誰かに振りたいが、その手は今回使えない、必死で仕事をすれば間に合うかもしれないが、期日に間に合わず失敗する可能性も高い、どうすれば良いか？、その場合、出来るだけ無用な会議や打ち合わせで可能な限り発注を遅らせます。もうほとんど間に合わないという時期になって発注します。下請けが頑張って期日に間に合えばそれで良し、よしんば間に合わなくても全て下請けのせいに出来る訳です。こうして自分の責任を目出度く回避できるわけです。
日本では学生も「社会人」も血液型の話が大好きです。たった４つの類型しかないのに自分を当て嵌めて「俺ってO型だからサ」と悦に入ったり、仲間と笑いながら頷きあったりしているのです。しかし、単なる遊びなら未だ良いのですが人事で利用している輩までいます。血液型が何らかの形でパーソナリティに影響している可能性が全く無いわけではありませんが、この要因だけで人格が決定されると考えるのは、全くもって頭がどうかしています。
この社会集団の中に居る個人は、常にゾンビに囲まれているようなものです。思考を停止し、馬鹿の振りをしている内に本当に馬鹿になってしまうのです。それに加えて、彼らには異様な残虐性や野蛮さが見られます。海外の映画で頻繁に描かれるような、捕虜収容所で虐待を加え続けた日本人は今では「病気」であったと看做されています。日本ではあまりにも一般的である為、あれを異常と感じる人はいません。このような常軌を逸した暴行を行う人に問い質しても「俺は世の中の厳しさを教えてやっているんだ」と悪びれる様子もなくうそぶきます。
日本人は幼少期より、自分は無価値であるという事を繰り返し叩き込まれる為に人格異常、精神異常、果ては犯罪者となってしまうのかもしれません。遺伝的傾向に加え、虐待からくる不安と恐怖が潜在的にあり、強い権威や集団の庇護を求める一方で、自らが受けた虐待を、生涯に渡り形を変えて他人にも行います。彼らは低次の欲求を満たす為だけに行動しており、到底、「人類」「世界」「理想」だのを考える、精神的余裕も頭も持っておらず、却ってそれらを嘲笑します。
彼らは、刹那的、衝動的に欲望を満たす一方で、如何に人生を無駄に、空しく生きるかという事に全力をかける人達です。本来の生きる目的を忘れるために生きています。
言ってみれば、刑務所に囚われた犯罪人と同じで、普段は自由を奪われて大人しくしており、単純作業に没頭し、殺人も窃盗も表面には出てこないのですが、いざタガが外れると、途端に人間とは思えないような残虐で非道な犯罪行為を集団で行います。だから時の支配者達は、常に彼らを監視状態に置き、行動を制限してきました。そうしないと何をするか分からないからです。もともと、文字も持たず、全裸に近い格好で外を出歩き、飢えたら我が子を食べ、首狩りをしていたような連中です。
一般庶民は権威に隠れて悪事を働き、いざとなったら誰かのせいにして一斉に逃げ出します。実に卑怯な奴等で、まるで自らが権威ある者であるかのような尊大な調子で、陰から「～ではないか」「～する必要があるだろう」などと、あたかもそれらが既に合意のとれた、客観的真実であるかのような物言いをし、それでいて、いざ特定されると「そういう考えもある」「別にどうでもいいじゃないか」とまるで自分には全く悪意が無かったの如く、屁理屈や話題逸らしに終始し、卑劣にも逃げ回ります。もしまたこの国でこのような人々が事を起こせば「憲法を改正したが長らく実質的な独裁が続き、破滅的な最後を迎えた」と後世の歴史書には書かれるでしょう。
人々が何も判断せず、何もしないというのは、人間が平等に持ち、かつ、最も重要な資質である「自由意志」を行使しないという事であり、結果の責任は当然負わねばなりません。「ああしろ、こうしろ」と命令する人が居てくれた間は良かったのですが、そういう人々がいなくなったら、彼らは何ができるのでしょうか。
最終的に彼らは「日本は終わりだ、もうどうでもいいや、これからは好きなように生きるわ」「ここらでぱっと華々しく最後に花を咲かせてやるか」等と考え兼ねない、大変危険な人々です。
