kurukuru89’s blog

主に原始キリスト教、哲学、心理、日本人について、気の赴くままに語ります。知識ではなく新しい視点、考え方を提供したいと思っています。内容は逆説的、独断的な、投影や空想も交えた極論ですが、日本人覚醒への願いを込めたエールであり、日本の発展に寄与する事を目的とします。(ここで言う日本及び日本人とはあたかもそれらを代表するが如く装うが、理性が未発達な為、感情的に動き、浅薄な信条に左右され社会に仇なしてしまう集団や人々を主に指しています)これらを通して人間に共通する問題をも探り散文的に表現していきます。

ベートーヴェンの魅力が溢れるピアノソナタ「テンペスト」

ピアノソナタ17番、通称「テンペスト」は32曲あるピアノソナタの中でも、ベートーヴェンの多様な面が見られるだけでなく、それ自体独特の魅力を持った曲です。

 

初期の傑作「悲愴」のようなドラマチックな展開もあれば、「熱情」のような激しいところもある、さらに後期の作品に見られる幻想的な部分や独白のような部分もあります。テンポも曲調も激しく変わるが全体を通して統一感もあり、これ1曲でベートーヴェンピアノソナタの特徴を掴むことのできる作品です。

その為、ベートーヴェンが好きな人にとっては非常に楽しめる曲ですし、嫌いな人にとってはどうしても好きになれない部分がある曲かもしれません。

 

多彩なだけでなく、この作品はとてもユニークです。まずニ短調(Dm)で切迫感のある曲なのに、属和音(A)のゆったりとした幻想的な分散和音で始まります。しかも初めの音は違和感を感じさせるC#(ラ♭)で、意表を突かれるイントロです。さらに2楽章の始まりも1楽章と良く似た半音高い変ロ長調(B♭で転回なし)のアルペジオで始まります。

 

そして全曲を通して交響曲第5番の第1楽章を思わせる、叩きつける様な激しい音形が聞かれます。緩徐楽章(2楽章)でさえも、タタタタンが鳴っています。粘着質なベートーヴェンの執拗さには中毒性の魅力があります。さらにそれまでの激しく派手な終わり方とは打って変わり、3楽章すべてが静かに消え入るように終わるなど、独特な面を持つピアノソナタです。

 

演奏者にとっては、変化が激しい為、一歩間違えると、まとまりや流れを感じられない演奏になってしまう、そういった難しさがある曲かと思います。

 

これほど独創的で傑出した作品でありながら当時あまり評判にならなかったようです。しかしベートーヴェンの情熱的な部分と、哲学的、詩的なものを感じさせる部分とが危ういバランスを保っており、理性と狂気が織り成す至高の美しさと興奮が得られる曲です。

www.youtube.com8:12までが第一楽章。5:30の再現部から聴かれるレチタティーヴォが詩的です

8:15から15:52までが第二楽章。9:28で「タタタタン」が鳴ります。14:46から、あてども無く彷徨うように転調しながら帰結していきます

15:54から21:50までが第三楽章。19:34から20:50の再現部でしつこく繰りかえされる低音の「タタタタン」、20:50から幻想的になり静かに終わります。

Credo: Sonate Pour Piano