個人に責任・義務を転嫁する国

高速道路で対向車がバスに飛び込む事故が起こった時に、「とっさにハンドルを左に切った運転手が凄い」とか、「シートベルト着用を呼びかけたのが偉い」という報道がなされました。

 

なぜ医師が運転していたクルマが左のガードレールにぶつかった後、対向車線に飛び込むにまで至ったのかという重大な原因究明は、ウヤムヤにされました。その代わり、バスのクルーを称える報道と、中国での高速道路事故のニュース、そして乗用車は「平均時速90kmで走行していた」、「運転手の体からアルコールやドラッグは検出されなかった」というニュースが素早く流されました。映像を見る限り、相対速度は時速250km以上はあるように感じましたが(笑)

 

医師会と県警との暖かい関係(笑)もありますが、インフラを安全に整備すべき行政から、愚民どもの目をそらす必要もあったのでしょう。さらに被害者こそ事故が起こらないように注意すべきであるという、責任や注意義務の個人へのすり替えが行われています。

 

また別の話ですが、とある餃子店が、貧乏学生の為に、皿洗いを条件に飯代を無料にしているのが素晴らしいというツイートが溢れかえったことがありました。昔の貧乏学生と今の貧乏学生では意味合いが違います。学生時点でメシを食えないほど貧乏なら、大学を卒業しても階層を這い上がることなどできないでしょう。これもセーフティネットを整備すべき行政から、一個人のボランティアに注意をそらしているニュースの事例です。

 

法律やルールは民を守るためにあるのではありません。強者を守り、馬鹿な愚民どもを働かせ、余計なことをしないように縛るためにあるのです。愚民達は自分たちで自分の身を守らなければならない、かしこき為政者は、いみじくもそう教えて下さっているのです。