日本人は自分たちのことを優秀だと考えています。経済大国で豊かだったし、戦争でも強かったというわけです。ところが日本人は頭が特別いいわけでもなく、体格だって貧弱です。
最高学府である大学の世界ランキングは異常に低く、サッカーやラグビーのような集団格闘戦に近い競技での日本の弱さは情けない程です。では日本人のアドバンテージがどこにあったかと考えてみると、それはルール無視で、がむしゃらに皆で頑張るところです。
言ってみれば喧嘩は弱いが、泣きわめいていきなりナイフを持ち出してくるような輩です。
経済では、ヨーロッパやアメリカの人たちが、ゆったりとした昼休みや、長い休暇をとって人間らしい暮らしをしながら仕事をしていたのに、日本人は西洋の技術を盗んだり、猿真似をしたりして、集団でロボットのように規則正しく、がむしゃらに働いてエコノミック・アニマルという有難い称号を得るまでになりました。
昔の戦争では負けが見えたら退路を断たれていない限り降伏したものです。第2次世界大戦は総力戦という一面はあったものの、それでも日本人が戦う様子は異常でした。負けるのが明らかなのに降伏せずに、いつまで経っても戦い続ける。そのためガダルカナル、硫黄島や沖縄の戦いは日米双方にとって修羅場となりました。さらにはカミカゼアタックや、バンザイ突撃という、組織的な自殺攻撃を発案し実行に移しました。
これらの頑張りや努力を、個々人の愛国心や忠誠心に都合よくすり替える論調がありますが、それは違います。指導者による巧みな洗脳、深く考えようとしない国民性、強い同調圧力などにより、「仕方がない」、「みんながそうしているから」という気持ちで、同じ行動をとっているに過ぎないのです。奴隷である日本国民も実は可哀そうな被害者と言えるのです。
このように日本人の「強さ」というのは、それまでのルールを無視し、どんな卑怯な手を使ってでも忍耐強く戦い抜くというところにあります。経済でも戦争でも死ぬまで頑張る、自分の命を差し出してまで戦うという、その姿勢が、世界の人達には理解できず、非常に不気味なのです。