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kurukuru89’s blog

たった一人の原始キリスト教信者が、気の向くまま森羅万象について語ります

ベートーヴェンの英雄に見る心地よい革新性

言わずと知れた交響曲第3番「英雄」は、ベートーヴェンの書いた交響曲のなかでも最高の傑作です。一片の和音から発展させた壮大な第一楽章、軽妙なスケルッツオ、得意の変奏曲による最終楽章、いかにもベートーヴェンらしい魅力に溢れた曲です。

 

特に第一楽章ですが、提示部はE♭の和音の連打から始まり、また和音の執拗な連打で終わるという強烈な違和感(革新性)を感じさせながらも、楽章全体に統一感があり、しかも心地よいのです。

 

変ホ長調のドミソの主和音ですから、気持ちよく響くのは当たり前ですが、そればかりだと当然飽きてしまいます。和音の連打の後に現れる主題も、和音の構成音で出来ていて、全体を通してはっきりとしたメロディーのようなものもありません。しかしベートーヴェンはこれを延々といじくり回していながら、飽きさせないのです。

 

これを聴くとまるで、このまま永遠に、いつまでもこの音楽を続けることが出来るのではないかと思えてきます。そして気持ちよさのあまり、この調子でいつまでも続いて欲しいとさえ思ってしまうのです。何度繰り返し聴いても退屈しません。むしろ聴くたびによく出来ていると感心します。さらに、これほどの曲なのに、書き手の余裕さえも感じられるのです。

 

マクロで見るとソナタ形式ですが、展開部はもちろん、終結部まで主題をいじったものが繰り返し現れ、まるでロンド形式か変奏曲形式のようにも感じられてしまう、しかし飽きさせない。そして心地よい。ベートーヴェンの見事な手腕による傑作です。

www.youtube.com(最初の提示部は 0:31、2回目の提示部が 3:52、展開部は 7:08、再現部が 13:07、終結部は 16:43からです)