国よりも上位に位置する、誰もが知っている公の組織、それが軍需産業です。
彼らにとって、貧乏人や富裕層を含めた多くの国民のみならず、行政機関に携わる人々ですら大した価値をもちません。
海外の武器商人との取引から始まった軍需産業は、近代史と密接に関係しながら歩んできました。勝ち戦だけでなく、負け戦でも肥え太っていったのです。
先の戦争では学徒動員で多くの国民をただ働きさせ、敗戦後の総資産はかえって増大しました。
軍需産業は政府よりも上位の組織に仕えていますから、国を動かすことさえできるのです。ですから軍事国家へと我が国が変貌していくのも必然と言えます。
当たり前の話ですが、戦争というのは憎しみやいざかいから始まるのではありません。それは表面上の理油です。18世紀以降、戦争はビジネスであり、ゲームなのです。敵味方の軍需産業は敵同士ではなく、合い通じ合う、ビジネス上の仲間です。