現在のルシファーの目的はこの世の破壊ではなく、ユートピア(ディストピア)構築であるように思います。ルシファーは嘘つきであり偽善者であるとしてイエスに弾劾されました。このままだと配下の御使いもろとも永遠の地獄へ行くことになりかねません。それを防ぐには弾劾の理由を無くしてしまえば良いのです。
ルシファーはこう言いました。
へびは女に言った、「あなたがたは決して死ぬことはないでしょう。 それを食べると、あなたがたの目が開け、神のように善悪を知る者となることを、神は知っておられるのです」。(創世記3:4-5)
この約束を全うするには、人を不老不死にし全知全能の存在にすることです。途方もない話に聞こえるでしょうか。しかし物理世界を自らが中心になって作り上げたルシファーなら可能なことです。
18世紀から急激に起こった科学技術の発展はどういう意図があるのでしょうか。それまでの牧歌的な世界とはあまりにも違いすぎます。今やVRや通信技術の発展によって人を隔てる時間、空間の障壁は急激に減ってきています。わざわざ物理世界を作った際に設けた、時間、空間の距離が意味をなさなくなってきているのです。
不老不死の要は染色体のテロメアにあることが分かっています。ルシファーが科学者に啓示を与えれば、人間が不老不死を克服することも決して不可能ではないでしょう。遺伝子操作と科学技術によって神となった人間はこうして他の家畜人を支配するのです。
しかしこのように当初の約束通りに、人を不老不死にし、全知全能の神のような存在にしても、人間は決して幸福にはならず却って苦しみが増えることでしょう。