ある国が植民地、属国から富を吸い上げるには次のような方法がある。
(1)現地民政府からの上納
現代では為替や国債を使って利益を宗主国へと還元する。いわゆる新帝国循環。現地民政府は税収を拡大し、運用資金に手をつけるようになる。
(2)法人乗っ取り
法人の筆頭株主となり、配当金を得るだけでなく経営主導権も握る。利益率などの数字目標を常に強いる。経営者は連結決算、粉飾、タコ配のみならず、やがては従業員解雇や資産売却へと至る。株主と一部役員だけが儲かる。最終的には泥舟から逃れた後、会社をばら売りする。
(3)原住民からの直接的な搾取
コントロールされたマーケットで投資家から金を巻き上げる。投資家は年金運用機関から小金持ち、サラリーマンまで様々である。メディアを使って消費活動を促進する。娯楽産業や医療産業など、女性や老人が新たに消費の主役となる。
(4)戦争・破壊とその復興事業
貧困化と治安悪化により国民の不満が高まったら、難民や近隣諸国に敵意を持たせる。国内でのテロ活発化(内戦)や外敵との戦争を起動する。巨額の利益が短期間だけでなく、長期間に渡って得られるので最も望ましい形である。ただしメディアをコントロール可能で、かつ巨大な軍事産業が必要となる為、ごく限られた国がたまにしか使えない。やりすぎると属国から再び搾取する事が出来なくなってしまう。言わば現代の焼畑農法である。